青森へ

またすっきりしない空の朝を迎えました。
今年、夏らしい空を、何回見たのかしら。

朝また地震、今度は八丈島
だから日蝕の年はよくないって。


出かける時間まで、やることがなくて、ふみとうちでふさげてた。
ふみは笑って、どこかにぶつけて泣いて、また機嫌直った。


時間になって、ふみと仏様に手を合わせて、出てきた。


駅に向かって歩きながらふみは、パパも一緒に行けばいいなって、何回も言ってた。
そうね、そのほうが、ママもラクだけどね。


しかし蒸し暑いね、夏のカラッとした暑さではなく、じめじめした、梅雨時のような。


東京駅、とんでもなく混んでる。
弁当買いは並ぶわ、階段も人いっぱい座ってるわ。お盆休みだもんね。


並んでお弁当を買ったら、もう改札を通って、中の待合室に。

待合室の中、座ってる人より、立っている人のほうが多い。
大きい荷物が通路を塞いで、子供たちうまくそれを避けながら走り回る。


ふみと手を繋いで奥に行って見たら、奇跡的に二人組が立って出て行って、ふみと座れた。

「幸福弁当」をふみと食べる。
ふみ、爽健美茶をグイグイと飲む。

しかしこの幸福弁当も、前より味だいぶ落ちるのでは。
お盆期間中需要増のせいかな。


お弁当より、柔らかいものを食べたいわたしは、小さいイチゴケーキの五個入りを買った。
ふみの午後のおやつにもなれるし。



トイレも長い行列。
並んで並んで、やっとわたしたちの番で、もうそろそろ発車の時間。


ふみは時間があまりないと聞いて、かなり心配して、緊張した面持ちで。
「だいじょうぶよ、全然だいじょうぶだから」とのわたしの言葉を聞いて、少しホッとした様子。


ふみと乗ってまもなく、発車した。
ふみ、勝手にまだあいてる席に座る。


上野駅から人がバーッと乗って来て、ふみはわたしたちの通路側の席に戻って、泣きそうになった。
「だって、外、少ししか見えないもん」と。「ほかのあいてる席探してよママ」と涙が滲みそうになった。


指定席だから、夏休みで混んでるからと説得したら、
意外や意外、
ふみは泣くのやめ「わかった、仕方ないよ、諦める、ママ、人いなくなったら向こうに座ろうね」と。

や〜よかった。ふみ、やっぱり成長したね。

諦めることを覚えるのは、とっても大事なことよ、ふみ。


ふみはわたしの膝に座り、ちょっと離れてる窓から外を眺める。


二人がけの席、隣は女性で、無表情にハーブについての資料を読んでる。


まもなく、ふみ、眠った。
二人かけ座席の通路側、思ったより窮屈もなく。


通路の向こうは子供連れの家族6人、一人は赤ちゃん。
乗って来た途端、手早く二列の座席を対面向きにさせ、床にビニールシートを敷いた。食べたり笑ったり、なんだか遠足気分で楽しそう。ちょっと騒がしいけど。


ふみは腕の中で静かに眠り、隣の女性も、うとうとし始め、女性は椅子を少しも倒してないため、頭が85℃ぐらいの姿勢で眠った。


八戸から、つがる特急に乗り換え、浅虫に着いた。
涼しい〜 ちょっと寒い。
浅虫は、霧の中。



宿の秋田屋に着き、おにぎりのお弁当がすぐ出された。まだ温かい。


お弁当を急いでいただいて、ふみと長袖に着替え、青龍寺へ。

小雨の中、青龍寺に着いた。


青龍寺は今日から万灯会が行われている。


蝋燭が点いてる灯篭がずらりと並んでる参道。

こんな数じゃ、わたしの献灯を探すのは、ほぼ無理だわ。



百メートル余りの参道を歩くと、大仏様とご対面。




19時から、盂蘭盆法要が始まリました。


法要が終わり、傘をさし、参道を小走りで下るふみ。


空気が清々しい。
供養をしたほうも、されたほうもきっと、この清らかさに覆われ、肩の重荷を下ろし、新たな一ページを捲ることができるのでしょう。