浅虫、サヨナラ



けさ、ウミネコの鳴き声の中、涼しい浅虫とサヨナラ。

もうコスモスがあちこちで咲いています。同時に、アジサイもまだ残っている浅虫です。


駅で、昔の浅虫の写真が貼ってありました。


芸者さんたちが嬉しそうな顔して、賑やかな温泉街を歩いているという一枚を、しばらく眺めました。


もう、面影も残ってませんね。
今の浅虫、廃業した旅館がちらほら、寂れた空気が漂う。


しかし浅虫はなんで浅虫というのでしょう。
浅く愛して、無視しながら愛して。とか。



つがる特急に乗って、八戸に。
八戸で昼食を取る。
何食べたいと聞かれるふみは考えもせず「お蕎麦、冷たいお蕎麦がいい!」と。


駅ビルのお店に入り、窓から八戸市を見てみると、わりと大きい街。
新幹線が通ってから、出来た駅前でしょうか、老舗より、コンビニが二軒もある。


メニューには、いろんな種類のラーメンと海鮮丼セットが目立つ。

さすがにもういいわ。

旅館の朝食で、わたしには困るのは和食。焼き魚・おつけもの・ノリに醤油・お味噌汁、煮物など、とにかく塩分塩分塩分っ感じ、なんだかも頭が濁って来そう。

だからパンやヨーグルトや珈琲の朝食のある宿は、実にありがたい。


青森の食べ物、塩辛く感じるのは気のせいでしょうか。
鮭なんか、漬け物並みだった。


ざるそばを待ってるふみは、珍しく黙ってる。

「どうしたの?ふみ」
「パパのこと心配してんの」
「パパを?」
「うん」
「へ〜、パパのなにを心配してるの?」
「どうしてるのかなってさ」


まあっ。


八戸駅のお土産コーナーは、浅虫と同じく、りんごに関するものがほとんど。


りんごパイ、りんごケーキ、丸ごとりんご焼き、りんごジュース。

「青森はりんごの産地だから」
「え?いいな、嬉しいね」とふみが。ふみは毎食に出されたりんごジュースが、すっかり気に入った。


帰省のピークの新幹線の中、ふみは窮屈な姿勢で眠った。


トンネルが多いな、長いトンネル、短いトンネル、一瞬のトンネルも。


東京に無事に着いた。

暑い。