連休開け

昨夜、首と背中が一枚の板になったようで、急に首が回らなくなるし、顎を引くこともできないし、激痛で、夜なかなかよく眠れませんでした。


一週間ほど前に、洗濯物を畳んでる私に、ふみが後ろから走って来て、思い切りわたしの背中を押した。


ふみは笑顔いっぱいで「ママだいしき!」とわたしを抱きしめた。


ふみにはごく普通の愛情表現でしょうけど、まったく無防備だったわたしは、首にムチウチを感じた。


「ふみ、前も言ったでしょう、走って来て人を押したりしないの!」


「…」ふみは、自分なんで怒られるのか、まったく見当つかないようで、(だってただ好きなのに)と、戸惑った顔してた。


ふみたちの間では、押したり押されたりするのは、たいしたことじゃないけど、けどふみ、これを耐えられる大人はそう多くないってば。


少なくとも、そもそも頸椎が真っ直ぐになっているわたしは、頸椎が曲線の普通の人より、衝撃に全然弱いもので。

(頸椎が真っ直ぐになってることについて、整形外科の年配の先生が、「だいじょうぶですよ、どうせ人間年取ったら、いずれこうなるから、あなたは早くなっちゃっただけよ、ははは」とニコニコしておっしゃる。)


そのムチウチっぽいのは、ほぼ一週間前のことで、その後すぐ連休に入り、ふみの相手をしなきゃいけないと、神経を極度に張っているわたしは、首の不調が気にならない程度だった。


夕べ、仕事で遅くなって帰って来た主人が帰って来てまもなく、気が緩んだせいか、激痛が走り始めた。



今朝、なんとかふみを保育園に入れ、その足で近くの病院に行った。


元某大学病院の麻酔科の教授F女医先生が開業した病院で、前も痛みでお世話になったことがある。


いつも混んでるので、予約なしで行くのどうかなって思ったけど、運よく、すぐ入れてくれた。


F先生は、なぜか前からわたしに優しい。
よく誉めてくれて、お世辞にしても聞いてて嬉しい。


F先生はとても丁寧な言葉遣いだが、ところどころ棘がある。
「××さん、よくなってよかったわ。でも今度いらっしゃる前にお電話一本入れてくだされば幸いです。あと、治ったら治ったって、お電話一本で知らせてくれるのが普通ですけどね…」と、F先生は動きながらそう一人女性に話をかける。


わ…こわっ。


看護婦さんにより電気マッサージ、薬塗ってからマッサージ、最後はF先生自ら神経注射。
三カ所。


しょっちゅう注射を受けるわたしだが、やっぱり神経注射は、やや緊張した。


「だいじょうぶですよ紫伊さん〜深呼吸して〜」とのF先生の言葉は、心強い。

治療終了、痛み、だいぶ和らげた。


看護婦さんに、「今度来る前にお電話くださいね」と言われた途端、
奥から「紫伊さんはいいんです!朝早めにくればいつでもできます!」とF先生の声が。


これはこれは、きょ、恐縮でございます。


F先生の話だと、今回のは、一種のぎっくりですって。


首の見えるところまで、薬が塗ってある湿布を貼って、お仕事に行った。


一日中、時間経つとともに、症状がどんどん軽くなって、普段通り仕事をこなせました。


お昼を頂いてる時、Wさんがわたしの首の湿布を見て、どうしたの?と聞いた。

簡単に事情を説明し、「もう大型連休は勘弁してほしいって感じですよ」とわたしは言った。


「子供を相手するのたいへんだよ、しょうがないね親になった以上は」とWさんが。


「そうですね。体力だけじゃなくて、神経もっと疲れますね。言うことを聞いてくれないし。なんかわたし、同じことを一日中10回ぐらいは言ってる気がします、なんで子供は聞いてくれないでしょうね」


「ははは」とWさんは笑った、「話しを聞いてくれないのが、子供って言うもんだよ。小さい時も、大きくなっても、子供は親の言うこと、言う通りしないのよ。」


「そうですか…」と言いながら、自分の場合を考えてみると、…。第一親の猛反対を押し切って、20歳そこそこ一人で遠い日本に来ちゃったんだから。「そうですか、そうかもしれないね」


「そうよ、そんなもんよ。今はまだいいよ、男の子は中学校になってごらん、口を利いてくれないわよ…」

おほほほ。



昨日デパートの化粧品コーナーで、
ふみのすぐ手を出して商品をツンツンするクセを案じて、
「ふみ、触っちゃダメよ、お店のもの、なにを触ってもダメ、わかったね」
「は〜い」


店員さんに、チークのパウダータイプではなく、練りタイプのありますか?と訪ねるわずかの間、
ふみはつま立ちして、素早く指で開いてるケースのチークをツンツン、それから、その指先のピンク色を、自分のほっぺに何回も塗った。

幸せそうにわたしの目とあったふみは、
ちょっとびっくりして、すぐ笑顔になって、
「ふふふ、ママみたいふみちゃん」


もう…。




5日間ぶりに保育園に行ったふみは、夕飯を食べながら、だんだん目がとろんとなってきた。

危ない!この人眠くなってるわ。

連絡帳に、今日はずっと砂場でお相撲をやってたと書いてあったから。


さきにお風呂に入れないと!

ドタバタして、やっと「嫌だ!お風呂入らない」と言うふみを、パパがお風呂に入れて、
出てきたふみは、眠気はまったくなくなって、元気よく「遊んで!パパもっと遊んで〜」と。




知人から、ふみに、と、ハロウィンのお菓子を頂いた。