キャンデー

夕方、たまたまSさんとお会いして、
「ぶんちゃんに」と、Sさんはキャンデーを何個か下さったのです。


Sさんは、いつもふみのことを“ぶんちゃん”と呼んでいます。
ふみもそれを面白がって、
「Sさん、いつもふみちゃんのこと、ぶんちゃんと呼んでるね」と思い出すたびに言います。


去年、佐原へのハイキングでご一緒になったSさんは、ふみを肩車したり、トイレに連れて行って下さったりもしました。



今日は、どういう風の吹き回しか、ふみは、やたらとおりこうなんです。
自分でパズルで遊んで、またお片付けをしたり、
「おしっこして来て」と言うと、
「はあい」とすぐ行ったり、

なんか、ふみじゃないみたいで、感激のあまりご褒美として、Sさんから頂いたキャンデーを、一個の半分をやりました。

普段、めったにキャンデーや飴を食べさせないもので、ふみは大喜びです。


「牛乳の味しるね」
「Sさんが、ぶんちゃんにとくれたの?どうして?ふみちゃん、おりこうだから?」
「キャンデー、口の中、溶けてるよ」
「Sさんに、ありがとうって言ってね」
…。

口が止まらないふみを見ていると、自分の小さい時を思いだしてならないわたくしでした。



今朝、ふみに、
「ふみ、ママにチューは?」と言ったら、
ふみは、いつものように近づいて、
けど、チューじゃなく、わたしのほっぺに口を当てて、思い切り息を吹いたんです。

長いぶぶぶぶの音のあと、ふみは、
「はい。今日は大盛でした」。


ふみのよだれを拭きながら、笑いました。