やみあがり

ベランダのアジサイ、ほんとうに咲きそう。よく見たら、つぼみに、淡い紫色が…。




金曜夜から発熱したふみは、土日まる二日間、体温はずっと39.5度〜39.8度の間でした。体温計が壊れたんじゃないかと思うほど。

土曜朝は近所の病院に行って診てもらって、咳鼻水もなく、喉も痛くない、そういうタイプの風邪だとのことで、解熱剤の座薬と、念のための整腸剤ももらった。


熱冷まシートを買いに、その足薬局へ。途中のスーパーで、夏用寝具が売ってるの見て、そういえばふみの夏用薄めの布団もう小さくなって、去年処分したまま、まだ買ってないんだと思い出した。
今年はずっと寒くて、夏用布団に換えてなくて、そろそろ薄いお布団にしないと。いくらなんでも、もう夏だものね。


かわいいイルカ模様の丸洗いできる夏用お布団を買って、熱冷まシートを買って、ふみと帰り道へ。


「ママ、へとへとになってきたよ。なんか、足もふらふらするね」と傍で歩くふみが。
「そうだろうね、お熱だもんね。ふみ、おんぶしてあげようか?」
「だってママはお荷物が多いでしょう、いいよ」
ありがたいわふみ。ふみのお布団、軽いけど大きいから、それに日傘をさしていて、おんぶはちょっと厳しいわ。


おうちに着いて、まずふみのお布団を洗濯機に入れて回す。


お天気がよく、洗って干して間もなく、さらさらと乾いた。


ふみは熱冷まシートも、氷枕もよくいやがる。
「ふみ、人間の脳みそはね、生のたまごみたいなもので、それが高熱をだしたら、茹でたまごになっちゃうのよ。茹でたまごは、また生のたまごに戻れると思う?」
ふみは深刻な表情で頭を左右と振る。
「でしょう?だからなにがなんでも頭を守らないと、頭を守るには、ちゃんと冷やすしかないのよ」
ふみは素直に従った。


今回の高熱、しつこい。ちょっと38度台になって喜んだ途端、またすぐ39度に上がる。

「ふみの背中で目玉焼きができちゃうね」
「いやだ、しないで」
しないわよ。


まったく体力温存することを知らないふみは、38度台になった途端、すぐはしゃぎだす、39度台に上がると、ぐったり。
なんというわかりやすさなんでしょう。


熱にうなされても、動物園への遠足のことを口にするぐらいなんだから、ふみは、もし遠足に行けないと、と思うと、かわいそうでならない。
天気予報によると、遠足の日は雨じゃなく、曇りだって。何日前の予報と違って、絶好な遠足日和になった。


日曜になって、熱はすこしも下がらない。おまけにふみは食欲もなくなって、お粥も一口しか入らなかった。
けどふみは、機嫌悪くなることがなかった。ちょっとでも体力が湧いてくると、柔道の受け身などをやって、それならパン屋さんまでお散歩しに行こうかとのわたしの言葉で、快く応じた。


小雨の中、おいしい空気を吸いながら、パン屋さんまで行ってきた。


帰ってきたら、さっそくベッドで横になるふみとわたし。

「ふみのお熱が早くさがるため、ママは願掛け腹筋運動をするね、百回よ百回。どう?ママ頑張るから」

「がんかけふっきんうんどう?」ふみは「1、2、3…」と一緒に数える。
「ちょっと待ってちょっと待って、百回より、やっぱり50回にするわ、ごめん、いい?願掛け50回腹筋運動、これでふみのお熱が下がるから」
あ〜情けないわ、発熱する子供のために、100回腹筋運動すらできない母親なんて、
でも、100回やったら、二度と起き上がれない気がしたから、ほんとうに。
願掛けスクワットをすればよかった。なら100回はできるよ、きっと。

50回腹筋運動を、頑張りました。酸欠しそうになったけど、頑張った。



今朝目覚めて、ふみのお熱は下がった。
ふみは何事もないように、元気になった。もちろんふみは、熱さがったのは母親の願掛け腹筋なんぞ関係あると、これっぽっちも思ってないようだ。
「ぼく、つよいでしょう。お薬飲まないで治ったよ」
うん。強いわ、ふみ。よく頑張ったね。ママは腹筋をがんばったじょ。


念のため今日は一日お休みして、明日、遠足に、ふみも行けるんだね。


パパが作ったバナナ虫。