ヒーロー

ふみは今日保育園でも誕生会をやってもらいました。

パパのお迎えで帰ってきたふみは、左肩に大きい水色のリボンのお花が付けられています。

「これなに?」と聞くと、
「園長先生が付けてくれたの」と言って、まったく外す気はありません。

「これは?!」牛乳パック6個も使って作った巨大な物体も持って帰ってきたのを見て、わたしはびっくり。

「飛行機!」とふみが、さらに、「こっちはロケット!」と、ペットボトルやヨーグルトのパックをセロテープで組み合わせたものを取り出す。


え〜〜〜今朝たくさんのゴミを捨てたばかりなのに、またこれだけのものを…。今日は今年最後のゴミの日じゃなくてよかったわ。


昨日夜、パパが帰ってきて、ふみはすぐ「シコふんじゃった」の話しを始めた。

「青木さんが、“相撲は、左手出すと左足、右手出すと右足も動き出す”と言って…」ふみは身振り手振りでパパに説明してました。


青木さん(竹中直人)が、いくら緊張するとお腹を壊すにしても、いくら負けてばかりにしても、いくら不器用で転んだりしても、いくら好きな女性の前にむずむずしてろくに話しもできなくても、
ふみには「カッコイイ」なんだ。
だって青木さんは一生懸命お相撲の稽古をするし、なにより、小さい時からお相撲が好きだというのだから、ふみはむしろ青木さんを尊敬し、ふみから見て、青木さんはヒーローなんだ。


おかしくて、見ているだけで笑いが止まらない青木さんがですかー。
相撲部の存続のために、4年間も留年して、8年在学で頑張って、勝ったことはなくても、青木さんの相撲に対する情熱は、ふみに伝わってるってことかしらね。

「青木、どうする!青木、勝つのか、さあー、青木…」ふみは一人相撲に夢中。


だから青木のことを爆笑してるママに、ふみはムッとするんだ。


「じゃふみ、青木さんと、孫悟空は、どっちがかっこいい?」
「青木さん!」ふみは不機嫌そうに答える。


ひぇ〜、大好きな、ふみのヒーローの孫悟空が、青木さんの次だとは、さすが思わなかったわ。


ふみは孫悟空が好き。孫悟空の絵本をいつもパパに読んでもらってる。
「だって俺、保育園を治めようとしてるんですよ。だって、俺は絶対死なないし、筋斗雲に乗れば、どこまでも行けますからね〜〜」、ふみのセリフ、完全に悟空のをパクってる(“天”を“保育園”に入れ替えただけ)。

この前の鍋料理の時でも、スープを飲んで、「これは金丹だ」と喜んでるふみでした。