夜来風雨声
瓶と缶が捨てられる日ということで、間に合わなかったらどうしようと緊張して、今朝5時ちょっと過ぎに目覚めて、もう眠れなくなって。
少し明るくなってから、傘をさして重い重いゴミ袋を指定場所まで運びました。
雑木を曲がって、
あれっ?曜日を間違えたかな。何もないわよ。いや、よく見てみたら、カゴ、一つ出てます。中に、缶コーヒーの缶が、二つだけあります。
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東京にいる時は、缶・瓶・ペットボトルが捨てられる日は、
ここと同じく、週に一回です。
普通の近所のゴミ収集場に行って、カゴに入れるのですが、
ここと違って、カゴは、ずらりと長い一列。
瓶や缶のカゴは分けてありますが、どれもあっという間に満杯になります。
ここも住宅街なのに、コーヒーの缶が二つだけというのは、ややびっくり。
まだ早朝だからかしら。それにしてもカゴ一個だけですしね。
わたしが持って行ったゴミで、その一個のカゴが、ほぼいっぱいになりました。
明日は燃えるゴミの日、またたくさんの袋で、ご近所の皆さまを驚かせることでしょう。
ふみは、疲れが出たのか、一気に8時まで眠ってた。
今日は、駅の南口の新しくできた巨大なショッピングモールへ行く予定。
出かける準備をするとき、テレビに、あるオペラの番組が映っていました。
女性のオペラ歌手はなぜか舞台のぎりぎりのところに座り、一列目の観客をすぐ目の前にして歌う。
その光景が不思議で、ふみと笑ってしまいました。
その後さらに、一人女性の先生が舞台に上がって、歌手を指導、
声が脳に響くように、そうそう、この調子この調子、ここはもっとなが〜く、
と言って、先生は腕を歌手の頭の上部に最大限に伸ばす、同時に目を丸く、口をOを形に、ふみと爆笑。
そうそう、その調子、この時は口をもっと広く、
と言って、先生は両手を広く伸ばし、口を目一杯広げる。
二人は一列目の観客の目の前に、舞台に縁に座り、永遠にそのお稽古が続く。
ふみと一緒に息苦しいほど笑った。
新しくできた巨大なショッピングモールは、広過ぎて、疲れてしまって、それでも頑張って、ふみのための衣料をたくさん買いました。
東京は当分停電するでしょうし。停電したら電車は動いたり動かなかったりして、なかなか電車に乗ってお買い物ができないのです。
ショッピングモールには、阪急デパートも入ってるので、郵便ポストに入れるサイズのお菓子を、ふみと探すことに。
被災地に、郵便配達が復帰したと言うので。
ただし、ガソリンがないため、郵便屋さんがリュックをしょって自転車で配達するとのことで、重い郵便物はできません。
今日は義母の誕生日です。
電気もガスも復旧していない中、必要な物はたくさんなんでしょうけど、ポストサイズだと…。
お菓子の箱、2cmぐらい以内のは、難しいですね。
薄く見えても、測ってもらったら、3cmは超えてます。
お花模様のチョコレートの箱なら、ぎりぎり入れそうでした。
それからお洋服を探すことに。
これからの季節にの、しわじわに畳んでも平気そうな一枚を選びました。
ふみに、おばあちゃんに何かを送ってみるからと言ったら、
ふみは“絵”を描きました。
ごちゃごちゃの線。
「なに?これは」
「おばあちゃんの畑だよ」
夕方、おばあちゃんから携帯に電話がかかってきました!
電波は、場所によって通じるようになったと。
こんな津波、記憶にない。みんな大丈夫ですから、心配しないで、食べ物もなんでもありますから、みんなで一緒に助け合って暮らしてるから、大丈夫です。頑張るよ。
義母の声を聞いて、いつものようで、まるで最初からなんもなくて、わたしだけ変な夢でも見たのかのように、恍惚となった。
ふみも電話に出て、
おばあちゃん大丈夫?
頑張って下さい。
夏になったらまた行くから。
「ありがとうね」と、おばあちゃんはふみにお礼をおっしゃってました。
早く道が通れるようになって、早くガソリンもあって、電気もガスも水道も使えるように。
今日はふみは珍しく、お店のワゴンに出てるぬいぐるみを欲しがってました。
半額処分中のこの、うさぎか猫かのこの子を、ふみは大事そうに抱っこして帰りました。
寝る時も、そのミルちゃんをずっと抱きしめてました。
雨降ったり上がったりの一日でした。