ひざし
お庭の梅、いつの間にか、だいぶ散ってしまいました。
小さい教会の隣は、幼稚園です。
ふみとそこを通った時、「すずらんようちえん」とふみは大声でそのひらがなの看板を読みます。
「ふみ、入ってみる?みんなと遊びたい?」
「いやだよぅーだ」とふみはすぐ歩きだして、そして歌いだす、「♪がっかりして、メソメソして、どうしたんだい、太陽みたいに笑う、君はどこだい、ワォワォワォ…」
去年の運動会に、ふみたちはこの歌を歌ってましたね。
ここの関西弁は、聞き取れないほどのものではないです。
でもふみは、やはり戸惑いはあります。
この前、南口の阪急デパートで、店員さん二人で談笑しているところに、ふみはサッサとやって来て、
「ねね、何話してるの?なにがおかしい?」
店員さんも、わたしもびっくり。
東京では、全国各地から来た人が大多数で、
三代東京で暮らす、いわゆる“江戸っ子”は返って少ない感じだけど、
ここは、地元の方が圧倒的に多い気がする。
わたしたちみたいのは、明らかに“よそ者”なんだ。
パン屋さんから、大きいフランスパンを10本買って、荷造りして、米屋さんまで持って行って、仕事先の皆様に宅急便で出しました。
米屋さんで、昨日のおばあちゃんがいなく、その娘さんか嫁さんらしき女性がいた。
ふみは大きい声の独り言「あ〜つまんない」
女性が笑った。
「つまらないのか?」と言って、ふみに飲料水に付いてるおもちゃの景品をくれた。
思わん収穫に、ふみは大喜び。
ありがとうの連発。
出てきたら、日傘をさしてお店に向かう昨日の米屋のおばあちゃんと会いました。
遠くからわたしたちに「こんにちは」と、やはり柔らかい関西弁でのご挨拶でした。
そうか。もう日傘の季節ですね。
ここは高い建物がなく、日差しは思いっきり照らしてる。
けどわたしは、日傘を持ってきていません。
三日間だけ滞在すると思っていましたから。
それが一週間となり、
今日、東京の水道水から放射線物質が検出された。人体に影響あるものではないだそうだが、子を持つ親としては…。
もう少しここで様子を見守ることに。
今日は、平日にもかかわらず、家族連れでショッピングや、お食事をしてる人達が。
春休みの少年たちは公園でサッカーを。
陶芸教室の窓から、趣味に没頭する生徒たちを、思わず立ち止まって見入ってしまうわたしとふみ。
すれ違う袴姿の女性たちは卒業式でしょうか。
寒さも暑さも彼岸までというが、まだ暖かさを感じないのは、わたしだけでしょうか。