奈良での奇遇

今月いっぱいで帰ることしたので、せっかく関西に来たから、好きな京都に行きたいなとわたしは思ったんだけど、
ふみはまだ奈良に行ったことがなくて、今日は奈良へ。


奈良公園、ふみには初めてだが、わたしは3、4回目です。


鹿せんべいを買って、ふみは興奮気味に鹿たちに煎餅をやって、追っかけられて、ぎゃーぎゃー叫んで、またわたしのところに来て、
「ママ、お煎餅お煎餅」


もっと奥に行ったら、ある小さい女の子がふみに声をかけてきました。
「うち、U・R、4歳」と女の子はかわいい関西弁で、指を4本立ててふみに向かってニコニコ。

女の子は祖母と一緒に京都から来たという。


女の子はたちまちふみと仲良く、一緒に走り回って、一緒にお煎餅、女の子は自分のおやつまで、鹿にやって、
ふみは手に持ってる煎餅をあげるかあげないかでやってるうちに、一頭の鹿が怒って、ふみを蹴った。

女の子の祖母は、どこから来たん?と尋ねる。

ふみ、どう答えるかなと、鹿の写真を撮りながら、わたしは耳を立てる。

「東京」
「え?東京?今どこに泊まってるの」
「西宮」
「大阪のほうなんや、誰のうちなの?おじいちゃんおばあちゃん?」

ふみ、少しだけ黙ってから、何もない顔で、「親戚」と答えました。


へぇ〜


その後、女の子がわたしに、「東京のお店ではもうなんもないのは、あれはほんまやろか」

祖母は「東京は半分ぐらい東北出身の人なのに、あんなひどい発言したあとの石原にまだ投票する、それはなんで?」


などなど、いろいろと話しをしてくれました。



女の子とその祖母と別れて、ふみと東大寺へ向かう。


「ふみ、大仏さまに、なにをお願いするの?」
「えっと、将来、阪急電車を運転する人になることと、さっきの子とまた会えること」



東大寺、本殿の手前、男性三人がいて、
年配の一人が、中年の二人の写真撮ってあげてる。

よく見てみたら、撮ってもらってるほうの一人が、

なんと、父の教え子、今は教授のD先生ではありませんか!


この奇遇に、言葉がでないわたし。
D先生も驚きを隠せない。


D先生は東外大に短期研究のために来て、何日間かの奈良の滞在中だという。



年配のカメラを持つ先生は、京大の名誉教授で、しばらくお話しをしまして、たいへんユーモアのある先生で楽しかったです。わたしのメールアドレスを聞いて、記念写真を送るとおっしゃってくれました。


ふみはD先生にすぐ懐いて、北京の、ママのいとことお友達なのか?と何回も聞いてました。

抱っこを求めて、体格よいD先生は、ずっとふみを抱っこしてました。

ふみはD先生のほほを手で押し寄せて、「ハンバーガー」と言って、D先生はウケてました。

短い時間だが、懐かしく、暖かく、過ごしました。


世の中、こんな偶然、本当にあるんですね。


西宮に帰って来て、仕事先の皆さまに、パン屋さんのおいしそうな食パンを送りました。