10枚

この苔玉に育ってるバラは、またKさんからいただいたのです。

植物全般が大好きなKさんは、いつもお住まいの深大寺から、バスと電車に乗り換えて乗り換えて、たくさん持って来るのです。

この紫陽花(かしわなんとかという名前)も今日、そのKさんからいただいたものです。


今朝の登園道、道端で死んでるこの虫を、ふみは大事そうに拾いあげて、


「いやだ、これ、ゴキブリじゃない?」
「違うよ!」
「早く捨てて、いやだ」
「捨てないもん、保育園まで持っていく」

そう言ってる間に、一人自転車を押してる男性が後ろから、
「虫好きは、いいことだ。将来優しい人になるよ」と。



今日は、わたしのお休み。
午前中は柔整施術所へ行き、治療してもらい、

お買い物して、お昼はタイ料理で食べました。


トムヤムヌードル。


わたし、やっぱりタイ料理とベトナム料理が好きだな〜

同じく辛さがあって、香辛料が強めのインド料理より、ずっと繊細で、上品で。

パクチーも大好きです。


うちに戻って、疲れてきました。


水曜日しか、休む時間がないんです。土日はふみを見ていて、平日よりずっとくたびれますから。



今日は曇りで、空気はカラッとしていて、爽やかな風がカーテンを揺らす。


何も考えずにこのまま眠っていたいが、夕方は柔道です。


携帯のアラームのセットをして、わたし眠ってしまいました。


寒くなく、暑くなく、じめじめもしていない、このままもっと寝たいが、


柔道があるから、頑張らなきゃ。




U君、相変わらず畳の上に寝転がってるだけです。


喋るU君の歯を見て、K君のお母さんは、思わず「こわいっ」と言いました。

U君の、下の前歯二本の永久歯が生えて来て、けど、乳歯はまだ抜けてない。

ぐらぐらする乳歯は外側に、
永久歯二本は内側に。

二重の歯に、やっぱりどうしても視線が奪われる。


当然、永久歯の向きは、もうまっすぐじゃなく、やや中へ向いてる。


この前、わたしがU君に話したのです。
ぐらぐらして、けど、なかなか抜けない乳歯を、歯医者さんに抜いてもらわないとダメよ。このままだと絶対歯並びが悪くなる、そうなってから矯正するのは、時間かかるし、お金もかかるから。と。

U君はその時、真剣に「わかった」と答えました。



「U君、ママに言った?歯のことを」
「うん」
「で、ママはなんて?」「土曜日じゃないと歯医者さんに行く時間ないから、今度の土曜日は保育園に行くから、歯医者にいけないって言った」


確かに今度の土曜日、保育園はイベントがあるから。
でも…。


「U君、手でやらない、バイ菌が口に入っちゃうから」わたしはU君の、あのぐらぐらの歯を揺らす手をとめる。


けどU君またすぐその二本の歯を触る。


「U君、ぐらぐらして、気になるんでしょうね。気持ちはわかるけど、指は結構バイ菌が付いてるから、虫歯になったらたいへんよ」

「虫歯?もう虫歯になってるもん、何本もある」

?!


傍のK君のお母さん、目を丸くして、声を小さくしてわたしに「し〜んじられない、虫歯何本も!お母さん何してるのかしら、歯を磨いてる時わからないのかしら」

わかるでしょうね。
ふみの毎日の朝晩二回の歯磨きも、仕上げ必ずパパかママがやってますから。


「うちのKも乳歯抜けてない時、さきに永久歯が生えてきて、本人が痛いと言って、見たら少しだけ出てきてるから、慌てて連れて歯医者に行ったもん、その場で抜いてもらったよ。永久歯は大事だもの、一生のものだから、こんな無関心の母親は…。うちは月一回フッ素塗ってますよ、歯医者さんで」



U君に聞こえるんじゃないかって心配するわたし。
「土曜日じゃないと時間がないみたいで、お仕事が遅いみたいですから」


「え〜、歯医者さん普通7時8時までやってるのがほとんどですよ。」


「そうですね、歯医者さんは遅くまでやってますね」

「永久歯がここまで大きく生えてるのに、乳歯を抜いてもらえないのは充分びっくりよ。虫歯も何本もあるなんて、ちょっとないんじゃない?だって、虫歯の数や、本人が薄汚いかどうかは、ギャクタイされてるかどうかと判定する一つ要因にもなってますよ。」


「まあ、そうですよね」


そうですよね、以外は、何を言ったらいいのかは。

U君は急に「歯医者に連れてってくれる?」とわたしに言う。

「え?…、いいけど、でも、U君の保険証も持ってないし、保険証がないとね」
「ちょっと、それはダメよ」とK君のお母さんが。「へんな意味じゃないけど、あのね、歯を抜く時、やっぱり保護者がいないとダメですよ。出血して、もし止まらないとどうしようとか、うちに戻ってからのケアとか、場合によって抗生剤を飲ませなくてはならない可能性もあるから」

そうか、そうですよね。安易に考えたらダメですよね。
わたしって、しっかりしなさ過ぎだわ。

その時、U君の耳たぶから血が出てるのに気づいた。


聞いたら、痒いとU君は言う。


「頭とかちゃんと洗ってもらってるかしら」とK君のママが。


耳たぶの血は、柔道着にも付いてしまった。


「血が付いてしまったね、洗わないとね」


「まさか、これもふみくんのママが洗うの?!やめたほうがいいよ!ここまでしちゃだめですよ。相手のためにもならないし、おかしいですよ」


「あ〜、そうですね〜」


なんだか頭が急にいろんなことがごちゃごちゃになってきて、整理がつかない。


ふみが大きいお兄ちゃんを引っ張って、すぐ目の前にまで、「ママしゃべらないで、ちゃんと見てて」

引っ張られて青年は、ふみに合わせて、見事に倒れてくれて、ちゃんとママにふみの格好いいところを見せた。

ふみは頭がびしょびしょ、
柔道着もびしょびしょ。


うちに着いて、すぐ柔道着を洗濯機にいれて回す。


U君の血の付いてる柔道着は、洗わなかった。なんでだろう。なんか、頭の整理つかなくて。いろんなもので充満してる。



明日、いや、お天気のいい日に洗おうと思う。
洗うしかないんじゃない。うん。



夕飯後、ふみは宿題を。
途中眠くなってきたようで、お風呂に入って、それで目覚めるから、また続きをやると言って、


約束通り、風呂上がりに宿題をするふみ。

今まで算数は5枚だったのが、ふみが自分で先生に、10枚にしてくださいと言って、10枚になって。
よく頑張ってるよ、ふみ。