秋の装い
新宿のデパートのショーウインドウのマネキン、もう秋の装いに着替えてる。
台風は思ったほど東京には影響はなかったけど、夕方になると、風が急に冷たくなり、そして夜、どれぐらいぶりでしょうか、エアコンは要らず、窓を開けっぱなしで快適に過ごせる。
夕顔、今日は咲かなかった。
どんどん伸びていく、次の依るものを探している蔓。
夕方、宿題を頑張るふみ。
国語は、書くのが中心になってきて、バランスよく書けないと、ふみは悔し涙を流して、「抱っこ」と言って、わからないようにその涙を拭いた。
ふみ、えらいよ、充分だわ。
ママはこの年齢でここまでできないわ、えらいえらい。
ふみは悔し涙を呑み込み、国語の5枚をちゃんと終らせた。
「ママ見ないでね、いい?見ないでね」と、ふみは、こそこそと冷凍庫から氷枕を取り出して、タオルで巻いて、
わたしの枕の上に置き、「ママ来てぇ〜」
ふみの期待通り、知らん顔を装って、枕に横になって「あれ?冷たくて、ブニョブニョして、あ゛、いつの間にか…」
ふみは得意そうに笑う。
保育園の廊下に、年長さんたちの「かき氷」というテーマの貼り絵があった、ふみの作品。
ふみは、あずきの氷が好きじゃないから、これはソーダかしら。