半分半分
保育園。窓の緑のカーテン。
このゴーヤは、ふみたちではなく、年中さんたちが育てたものです。
今度ふみたちが育てているミニトマトなども見てみたいね。
朝、登園前の時間、ふみ、また“一人相撲取り”に夢中。
疲れたのか、バタンとベッドに身を投げるよう横になって、「あ〜、涼しい〜」と、クーラーの風に当たるふみは、気持ちよさそう。
「みんなと同じことしてぇ!みんなと同じことをしないとだめ」と、ふみは急に独り言のように。
これは、先生に言われたことだな。
「それなに?」
「べつに」
「先生に言われたでしょう」
「…、うん」
「ふみは、みんなと同じことしたくないんだ。」
「うん、たまには」
(たまにかな、よく、じゃないかしら)、
「ふみは、みんなと同じことしたくない時は、どうしてる?」
「どういう意味?」
「つまり、したいことをがまんして、みんなと同じことするか、がまんしないでしたいことをする、どっちかなって思って」
「代わりばんこしてる、半分半分」
「本当?!ふみえらいじゃん!半分ぐらいがまんできるんだ、半分にならなくても、たいしたもんよ」
「なんでがまんしないとダメなの?」
「そりゃ、オトナになるためよ。今は半分半分だけど、オトナになると、明らかにがまんする分が多くなるよ」
「ふうん」
「ママ、T君と喋らないでね、マジ喋っちゃダメだよ」
「なんでよ」
「T君、意地悪だもん、嫌だよ、意地悪ばっかりやる」
そう言って、また明日にでも仲良く遊んでるに決まってるわ。
夜、ふみはパパとシャーベットを作ろうと、製氷皿を買うため出かけ、途中、神社に寄って、蝉の幼虫を発見したりして。ヤモリも3、4匹いたって。
毎日毎日楽しく過ごしてるふみです。