破れ蓮

破れ蓮(やれはす)という言葉もあって、秋の季語になるということも、パパに言われるまでは、知らなかったのです。

秋が深まる時の、もっと無残な姿の蓮を指してるんでしょうけど。



夕べ、一段落してから、ソファーに腰をおろし、好きな久世演出の向田邦子のドラマのDVDをかける。



田中裕子が演じる長女がお母さんに、
「かっちゃん離婚してたの?どうしてお母さんは私に言わなかったの?」


加藤治子演じるお母さんが、
「人の不幸な話しだもの、軽々しく口にすることできないわ。めでたい話しなら」と。



昭和の日本に、いたかった。昔の映画を見るたび、昔の作品を読むたび、そう思ってならない。

やっぱり、慎ましく生きている、古き良き時代の日本人が好き。



24時の前に、うとうとしてるわたしは急に揺れを感じて、ソファから起き上がって、「揺れてるよ揺れてる」。


「揺れてないよ」とパパが。


よく見たら、確かにどこも揺れていなかった。


が、間もなく、揺れはじめて。
テレビも速報が出て、東海地方じゃない!
ついに来たのかと思って、緊張する。


伊豆あたり、震度5弱。


これで今日の分、終わったかな、そう感じたからかしら、朝まで目が覚めなかった。


本当にいつも地震前に目覚めるね、自分も不思議なぐらい。

小さい頃も、よく勘が鋭かったり、鼻が異様に効いたりして、

慢性鼻炎で嗅覚がややにぶい姉に、「そんなに鼻が効くなら、警察犬基地にお薦めよ」と、よくからかわれてた。





一晩中エアコンなしの快適さのおかげで、すっきりした朝を迎えた。


今日はパパがお休み、ふみを連れて保育園。


さきに仕事へ出るわたしは「じゃ、行って参ります。ふみ、さよなら三角」、と言ったら、

「また来て四角」とのふみの声は、玄関を出ても聞こえてくる「四角は豆腐、豆腐は白い、白いはウサギ、ウサギは…」



一日、短いような長いような。
夕方、またふみと会えた。

「髪、濡れてるね、保育園でシャワー浴びたの?」
「今日はシャワーじゃなくて、プールだったから」


そうか、よかったね。泳ぐの大好きだもんね。


「おやつはなに?今日の」
「えっと、なんだっけ、あ、ジャムパン」
「ジャムパン?へぇ〜、ふみ、ジャムパン食べるんだ」うちでは食べないのに。
「もう保育園のご飯もおやつも、全部食べることと決めたんだもん。ぼくは」

「へぇ〜」


ちなみにママの3時のおやつは、みんなと、仙台の方のおみやげの「萩の月」を頂いて。

おいしかったよ。