月が
今日の朝顔、白とピンクの二色が、5、6輪同時に咲きました。
Sさんがお亡くなりになって、もう何年経ったのでしょう。
毎年のお盆、主人はSさんの山形の実家にお花を送っております。
少しでもご供養になれれば。
お盆やお彼岸になると、故人を思う。
今年も、青森の万灯会に、祖母、亡き父と、姉の水子のご供養をお願いして。
今日は旧盆の「お迎え火」ですね。
近くにお寺が多いもので、お花を持った家族、何組もすれ違う。
お墓参りといえば、主人が読んでた小さい雑誌の1ページを思いだす。
「ひとに言へない
佛があって
秋の彼岸の
まはり道」
久世の。
その次にこんな文章が付いてる。
「古い都々逸である。子供のころ、ほんとうにそんなことがあった。
墓参りの度に、父が花を四、五本持って、ふといなくなるのである。
訊ねてはいけないような気がして、姉も兄も私も、知らないふりをしていたが、みんな気になっていたらしく、それから五十年経ったこのごろ、偶に姉弟三人が集まると、決まってその話になる。
ーー父は誰の墓へいったのだろう。
母はことし九十七歳で、昔のことはよく憶えている方だが、そのことだけは何度訊いても忘れたと言う。」
いいね〜、その静かなドラマは。
「向田邦子の世界だね」と主人が。
なるほど。
夕方、ベランダに出ると、朝顔は萎えて、また新しいつぼみが。
ふみとしばらく眺めたら、「お〜い、お月さま、来い、来い」とふみは急に大声で呼びかける。
「なんで?」
「こっちに来てくれたら明るいじゃん」そう言ってふみは中に入った。