寒蝉鳴

暑〜い。

都心は昼前にもう36度に超えて、ちょうどお使いがあって外を歩く。

ひゃ〜、なんじゃこりゃ。

コンビニからアイスを買って、歩きながらかじる。

間もなく、アイスは溶け始め、だらだらと指に沿って流れる。


あわててアイスをかじり、それでも間に合わない。

手も腕もべとべとし始め、

もういやだ。本当に、いい加減にしてぇ〜。



暦上は、寒蝉鳴、つまり、ひぐらしが鳴く時期になってるけど、

似合わない似合わない、この暑さと、カナカナカナカナというひぐらしの鳴き声は。


暗くなってから、パパとふみはコンビニに出かけ、帰って来たふみは、泣いたあとが見える。

どうしたのと聞くと、「なんにもないよ」と答える。

電話で喋ってるパパの見えない角度でもう一回小さい声で聞いたら、

しぶしぶと「ヤモリ」とふみが。


わかった。きっと神社によって、もっとヤモリ見たい、もう帰ろう、帰りたくない、…でしょうね。


「ふみ、明日は早く起きて新幹線に乗らなくちゃならないのよ、ママは荷造りもしなくちゃ、ふみは早くシャワー浴びて、早く寝てくれないと、何もできないですから」

しばらく考えたあと、ふみは「じゃ、僕は9時に寝るよ、本当」


シャワー浴びて、パパはふみに本を読んであげる。

9時になると、ふみは約束通り、いつものように「いやだ、もっと読んで」とかも言わず、目を閉じて、眠る努力をする。


えらい、ふみはいい子だ。

さー、わたしもシャワーを浴びましょう、やることまだたくさん待ってるから。

風呂場の窓は、無防備に開きっぱなし、
その窓を閉めて、蛇口を回そうとするその時、視野のどこかに、黒いものが動いてる。

まさか…
確認したくない、認めたくない、
が、ヤツはいる、今年我が家に初めてのゴキブリだ!開けてる窓から図々しく入って来たんだわ。

大嫌い!その動きの速さに、ゾッとするより、パニック。


ギャー\(>_<)/


ふみは大興奮、見に行く見に行くと、止められても、チャンスを伺う。

わたしは、腰が抜けたわ。

「もうだいじょうぶだよ、もういないから、処理したから」とパパに再三に説明されて、


頭がわかっても、体は動けない。

もう何もかも嫌になって…。


ふみは明らかに笑いを堪えてる。

「目も口も閉じなさい、寝なさい」わたしは怒る。


結局40分も無駄にして。貴重な40分(∋_∈)


頑張ってシャワーは浴びたが、もうあっちこちに黒いものが見えて、いちいちびっくりするわたし。



お寺の蓮。
朝、見事に咲いて、夕方、散りました。

もうつぼみは一つもないです。最後の蓮です。