秋涼

夕べ、いつものようにラジオをイヤホンで聞きながら、眠ってしまい、
夜中、「ガランガラン、ガランガラン、緊急地震警報です、緊急地震警報です」とイヤホンからの放送で目覚める。3時10分ちょっと過ぎの時だった。
福島に強い揺れを警戒するように、と。


かと言って、どこへ逃げるところもない、このベッドの上は、我が家の一番の安全のところかな。

待てど暮らせど(実際はわずかな時間でしょうけど)揺れが来ない。

その後、M3の地震だってラジオから。いわば空振りだったかしら。

(-_-)


今日は、さらにひんやり、もうちょっと過程がほしかったけどね。半袖一枚の後、長袖一枚でちょうどいいの時期が。


昨日、ふみに、「明日、どこにいこうかな」と言ったら、
三十三観音、行かなくていいのぉ?」とふみが。


震災で中断して、猛暑で中断して、そして久々に今日は再開を。


交通が便利で、行きやすいのは、先に行ってしまい、まだ行ってないのは、遠いのか、何回も乗り換えなきゃいけないのか。


よくよく研究したら、文京区にある三ヶ所、同じ駅で降りて、一遍に巡れる。


日曜朝のテレビのレンジャーたちの戦いを見終わって、宿題をやって、昼近く、ふみとお出掛け。

気温の急な変化で、ふみは風邪気味になって、鼻声、鼻水。
熱はないから、元気。


白山から本駒込あたり、お寺の多いこと多いこと。

駅降りたら、いきなり道を間違って、反対側へしばらく歩いたら気づいて、
通行人に聞いて、また戻る。

「ママ、もう地図見なくていいよ、人に聞いたほうが早いよ」

あははは、情けない。
ふみは、とうにお母さんの地図の解読力を諦めてる。
やたらと人に訪ねることを勧めてくる。


「しりとりしよう」とふみが。

“り”になる時、「李下に冠を正さず」と答え、得意そうになるふみ。

この前、教えたばかりなんだ。

一ヶ所目は、方向さえ正しくなったら、すぐ見つかった。

境内は工事中で、玄関のベルを鳴らすと、私服だが、住職らしき方が出てきて、終始無言で朱印を書いて下さり、筆はかなり裂けたのかな、文字は粗めのブラシのよう。
(`∇´ゞ


二件目も、まあまあスムーズにたどり着いた。

ちょうど住職の奥様とお嬢様が玄関で檀家さんの方とお話し中。


奥様、上品だが固くなく、親切にその檀家に話をかけて、
同じく正座してる娘さんは、清らかな笑顔を見せる。

玄関に、大きい写真がかざってあって、鳥のある風景。
メジロだね」とふみはその鳥に指差す。

ほんとうだ、メジロだね。

檀家さんが出ていって、娘さんがわたしたちの朱印帳を両手で受け取り、中へ、
奥様が正座のままふみに、「えらいわね、こうやってお母さんと一緒に観音さまのお参りするなんて。ちょっと待ってね」
奥様は立ち上がって奥へ、またすぐ出てきて正座して、「どっちがいい?一個だけよ」とふみに御菓子を二箱差し出した。

片方がじゃがりこ、片方が甘い御菓子。

「ええ〜迷っちゃうな」とふみは体をもじもじさせて。

「甘い味、塩味、どっちが好き?」

「ええ〜〜〜」

「わかった。じゃ、右手左手どっちがいいって選ぼうか」奥様は両手を体の後ろに隠す。


「じゃー、こっち!」ふみは奥様の右手を指差す。

「はい」奥様は右手の甘い御菓子をふみに渡す。

「え?!今、手を後ろで替えたでしょう!」とふみは慌てる。


「そうよ、あら、じゃがりこがよかったの?や〜だ、最初から言えばいいのに、、おかしい〜〜、あははは」


ふみ、境内を出る前にそのじゃがりこを食べたいとおねだり、説得して、3時のおやつに。


三軒目は、「八百屋のお七」のお墓のあるお寺でした。

ご朱印を書いて下さる女性は、ふみの訪ねに応じ、お庭に咲いてある白い彼岸花は、ご住職が中国から持ってきた、と教えてくれて。


お昼はお蕎麦を。

つよい香水のにおいがするインド人の店員さんが、頼んだお蕎麦を運んで来て、インド人が厨房に戻ってしばらく、香水のにおいはまだまだテーブルの上空にさまよう。


頼んだ蒲鉾がなかなか来ないと見て、ふみは走って厨房まで、「いたわさは?まだ?」と。


まもなく、香水のインド人があやまりながら、蒲鉾を運んできた。


そのご、ご親切に蕎麦湯も。これで香水のにおいは、しっかりとわたしたちのテーブルに落ち着いた。

わざびを蕎麦湯に溶かして飲むと、何かピリッとした感じで、強い香りで酔いそうな脳を醒ます。


何回もふみに勧めるが、断られた。