運動会

さすが10月にもなって、道を歩いていれば、もうキンモクセイの香りが漂うようになって。


今朝、そんなキンモクセイの香りの中、ふみと小学校へ向かう。
ふみたち保育園の運動会は、いつもその小学校の運動場を借りることに。


夕べ、ふみはパパとスイミングスクールへ、申し込んでいた30分の個人レッスンを受けに。

帰って来て、パパはふみの水泳がだいぶ上達したことにちょっとびっくりして、
先生も、この調子なら、11月の進級テストはあまり問題ないとおっしゃったそうだ。


よかったね、ふみ。でも、今日は運動会、肝心なかけっこや、リレーや、なわとび、棒登り、どうなってるのかしらね。


お仕事が休めないパパは、朝早く起きて、気持ちを込めた「愛父弁当」を作る。


お弁当箱は、わたしが一目惚れで買ったもの。大きい目で、運動会やピクニックに最適と思って。



何日前の予報では雨との今日、すっかり晴れて、困るぐらい。


ふみの保育園の最後の運動会なんだ。
ママに抱かれて登場する2歳のふみ、ママとちょっと離れると泣いて走ってくる3歳のふみ、来賓席の前に立って、ぼーっと来賓たちを見つめるふみ、お友達とやっと何か競技らしきことができたふみ。


今は、年長さんとして、出場して、歌、踊り、体操を、堂々とやるようになったんだ。

ビデオを撮りながら、何回も目頭が熱くなった。

胸がジーンと来て、ふみを見れば、なんと、隙間隙間に、勝手に、ウルトラマン光線発射のポーズや、四股を踏むポーズをやってるではないか。

一気に吹き出してしまいそうになって。


かけっこ、ふみの組、ふみは明らかに速い。すごいすごい。


縄跳びの時、大縄は、ふみ問題なくスムーズに入って、5回飛んで、うまく出て行って、
小さい縄は、微妙ながら、何とか飛べた、走りながら飛ぶのも、何とか微妙ながら、無事終了。


棒登りは、親はマイクを持って自分の子に応援メッセージを贈ることに。

個性的な小さい女の子のMちゃんの母親は、一生懸命棒を登るMちゃんに「M、おもしろくやってぇー」と言ったのは、笑ってしまった。


みんな棒のてっぺんをタッチして手を振るというのが定番のようなものなのに、ふみは、合格線を超えた途端、ササッと滑って降りた。

なのでわたしの応援メッセージは、他の親のような「それいけ」、「行ける行ける」、「その調子、ゆっくりでいいから、てっぺんまで!」なんぞ一切なく、
「ふみ〜、がんばって〜〜」って、他の何も言うの間に合わずで、さっさとマイクを隣りのお父さんに渡した。


担任の先生が、棒を必死に支えながら、一人一人棒を登って行く子供を見て、号泣していた。先生の御心労を察して、胸が熱くなる。

ふみは全然何事もないように戻って、しゃがんで他のお友達の応援に励む「××ちゃん〜、がんばれ〜」。
ふみがもう少しがんばった方が。まあ、いいっか。本人が楽しければ。


「ふみ、よかったね、よくがんばりましたね」と近づいて声をかけたら、
「ママ、お弁当は?まだ食べちゃダメ?」と、ふみの明らかに日焼けした顔に、汗がキラキラ。


リレーの時、ふみの赤組はだいぶ遅れて、これは負けるなとの時、ふみの番になった。

白組の長身で足の長いYちゃんが走り出した時、ふみが待ってる赤組のお友達はまだまだ走って来ない。

やっとふみが出発した時、もうYちゃんにかなり離れてる。

なのに、ふみは見る見る追いついてゆく、距離をだいぶ縮めて、Yちゃんがリレーを渡す時、ちょっと、もたついたから、これで一気に赤組のほうが先になった。

すごいなふみ。結果は、赤組の勝ち。ふみはお友達とジャンプして喜ぶ。


お昼は体育館の中で、それぞれお弁当を頂く。

やっとゆっくり休めると思ったら、ふみは勝手にお友達と、お弁当は一緒に食べようと約束して、ふみに連れられ、お友達のS君一家と一緒に食べることに。

ふみもS君も気前よく、お互い食べ物を「はい!」とあげたりして、パパが大きいお弁当を用意してくれて、助かった。

パパのこんにゃくの辛味炒めは、S君のパパが二個も食べて、わたしがトウモロコシを貰って食べて、ふみはS君のサンドを食べ、S君のママはうちのシャケおにぎりを食べる。

S君の2歳の妹もこんにゃくを食べると、ふみが「Nちゃんにあげる時、砕いたほうがいいよ、大きいからあぶないよ」と。

ほー、ふみ、こういう繊細なところがあるんだね。ちょっと感心。


午後は、まず保護者の競技。

手を繋いだままで、手は使わないで、体を動かしてフープを渡す。

わたしが先頭になって、どうしようと思ったけど、腕に掛けられたフープを、頭を入れて、肩を通し、足をフープから出して、フープはこっち側の腕から、手を繋いでる隣りの人の腕へ。

ヨガをやってるから、これぐらいの柔軟さはあるからかな、案外簡単だった。けど、うしろの人たち、どうもうまくいかず、4つのフープを渡さなきゃならないのに、わたしはどんどん渡して行って、なんと、途中三つが完全に重ねて、溜まってしまって、特に男の人は、フープに挟まれたように、にっちもさっちも行かず…。


親子のフォークダンスが終わって、運動会は終了。

終了の挨拶は、ふみと、もう二人お友達だった。

前の台に登って、「…、応援してくれて、ありがとうございます…」

強い陽ざしの中、それを眺めてるわたしは、「なんにも教えてくれないからね」とつぶやく。


ふみは、成長したわ〜〜




園長先生から、年長さんへの記念品。