真珠団子
ひんやりした朝を迎えまして。
もう冬用のお布団にしてたので、タイミング的にちょうどよかったわ。
空気は乾燥していて、もうハンドクリームをバッグに常備しなくちゃならない季節になりましたね。
夕方、ふみをお迎えに行った時、先生としばらく立ち話をしました。
「ふみ君の棒登り、運動会のあの時は、それまでで一番よくできたんですよ。足の力の入れ具合なんか、それまでなかったんです。私も嬉しくて。実はふみ君は最初、結構悔しかったと思います。なわとびできない時、水筒で顔を隠して涙を流したりしてました。でも挫けないでよく頑張ってきました…」
水筒で顔を隠して涙…、へぇ〜、そうだったんですかー。
ふみ、淡々としてましたからね、そこまで真剣だったとは、正直、認識してなかったわ。
知ってたら、もっとおうちでの“特訓”を、早く始めればよかったぁ。
思えば、母親として、わたしはただただ繰返し、ふみに、
「棒登りできないとか、なわとびできないとか、大したことないない。だってふみはあんなに水泳が上手なのよ、ひらがなも上手で、算数だってできるんだもの。何もかもできる人間は、世の中いないんだから。何もかもできる人間は、かえって怖いよ、なぜなら、神様に嫉妬されるから、神様に嫉妬されるといいことがあるわけないじゃない…」
ふみはちゃんと聞いたかどうかわからないが、この向上心を無くす話しを、母親のわたしが繰返しわが子に言っていたのだわ。
ひゃ〜〜〜
でもふみは、物事をすぐ諦めがちの母親と違って、我が道を歩んでいるようだ。
もち米がありましたから、夕飯に、ひさしぶりに“真珠団子”を作りました。
豚肉に、葱、生姜、醤油、お酒、塩で味付けをして、肉団子を作って、お皿に並べて、
水に2、3時間浸けてザルにあげたもち米を肉団子にまぶして、蒸したものです。
ひさしぶりに作ったんですれど、結果は、「とってもおいしい!」との評判でした。
う〜ん、自分で食べてもおいしいなって思いまして。
よかったよかった。
でも次も同じできになるかどうかは、自信がないや。
なぜなら、分量など、ほとんど適当で、いえいえ、勘で、
「行きあったりばったりだね」と主人が。
「違う、違うよ。一期一会ですよ」
夜、もっと遊びたい、まだお風呂に入りたくない、とふみは、ぐずぐず。
「…だって、ママは本読んでくれないでしょう?」
「そんなことないよ、ママだって読んであげてるじゃない」
「だって、《実りの庭》でしょう、もう聞きたくないもん」
あはははは、《実りの庭》、最近好きで読んでいるエッセーです。
ママにはよくても、5歳のふみにはつまらないんだ。
まあ、そうでしょうね。
なでしこ、また咲きだしました。