一万歩
朝早く宿題を終わらせ、ふみと出かける。三十三観音のお参り、今日は上野界隈の二箇所。
ダレンちゃんのところで、この前に会ったあのワンコの飼い主と会って、
「これは、ダレンちゃんの子ですか?」と聞いたら、
「これ、ダレンだよ」と飼い主は笑う。
\(◎o◎)/
話しを聞くと、夏に、毛を全部剃ってやったと。
だからこんなふわふわのまるで赤ちゃんのように白い毛しかなかったんだね。
「ハッハフッフーはダレンちゃんだったの?」とふみ。
「…?」飼い主は訳わからないのも当然だわ。
「ダレンちゃんって、何歳ですか?」
「6歳ですね」
「人間っていうと?」
「30ぐらいかな」
「どうして6歳だとわかるの?」とふみが。
「そりゃ誕生日わかってるから」
「じゃ、誕生日に骨、買ってあげてる?」
「?…、う…ん、ほね、ちょっと質問の意味がわからないけど」
「たぶん、誕生日プレゼントのこと、骨をダレンちゃんのプレゼントに、かな」とわたしは笑いだして、
「あははは、そういうことか、骨ね、なるほど」飼い主も笑う。
「おじさん、僕の話、わからなかったの?」と、駅に向かうふみは不思議そうな顔する。
公園口に出て、公園を通り抜ける時、見事にわたしはとんぼを捕まえ、ふみに感心された。
前々から、ママは小さい時とんぼを捕まえるの上手よ、と、さんざん言ってましたから。
同じ清水寺ということで、この広い舞台もあって、もちろんそんな高いところではなく、飛び降りたって、足首捻挫ぐらいかしら。
さらにぶらぶらと、アメ横へ。
このトルコかどこかの、ぐるぐる回るお肉、なんというんでしたっけ。
香辛料のにおいで、「食べたい」と言わないふみ。
相変らずいつでも混んでるアメ横。
センター街の地下に降りて、ここは、もう中国の市場そのもの。
上海蟹、脚も動くし、口から泡もぶくぶく。
ふみはこの地下街を面白がってくれた。これ買って、あれ買って、といろいろとおねだりもするし、ママの中国語にも羨ましがる。
アメ横に出て、さらに歩く歩く。東上野の仏具店街も、ふみには新鮮だった。上野あたり、あまり来たことがないもんね。
かっぱ橋道具街に着き、いろんなかっぱを発見して、
食品サンプルに興味津々のふみ。
外国の方にも大人気。
2カ所目のお寺に着いて、インターホンのところに、
お昼の12時から1時までは、ご朱印はご遠慮ください、と書いてある紙が貼ってあった。
ええ〜〜、12時過ぎたんだけど、でも10分だけだし、インターホンを押す。
女性は、「貼ってある紙は見ましたか?」と、
「はい。見ました。申し訳ありません。道迷ったりして…」、だって、ここに来なきゃ、貼り紙のこのきまりは分からないわけだけどね。
幸い女性はそう機嫌悪くなく、お参りもでき、ご朱印も頂けて。
わたしは田舎そば、ふみは、もりを。
なんだか、だんだんお蕎麦より、おうどんのほうが、わたしには、やさしく感じて。
ここからも、スカイツリーが見えた。
ぱらぱらと落ちる小雨の中、うちに戻った。
疲れた〜、一万歩あまり歩いた。