毎年の保育園の「大きくなった会」、年長組はお芝居をやることに。


毎回子供たちの演技に感心して見てましたが、今回は、ふみたちの番になりました。


演目がやっと決められ、
西遊記》。


西遊記の紙芝居の時、先生が、ふみがストーリーに詳しいことに驚き、わざわざわたしに話しに来て。


「そうですか」と言って、そりゃそうよ、と心の中で言うわたし。


だって、ふみが小さい時に、中国の連続ドラマ《西遊記》を一緒に観て、真面目にとったドラマ、わたしの同時通訳で、ふみは20何話を食いつくように観てました。


配役について、ふみはもちろん憧れの悟空に強い希望。


悟空をやりたい男の子が何人もいて、ふみは一生懸命競争。


「ママ、悟空をやるの二人残ったよ、僕とK君」

K君とは、中国人の男の子、いつもニコニコして、先生の言うこともよく理解してよく聞く、おりこうな子なんです。

今年は日本の名字になって、お母さんは日本人と結婚したそうです。


ふみ、だいじょうぶかな、お芝居だから、暴れてればいいというもんじゃないんだから、みんなの前だと照れて、ちゃんとセリフ言えて演技するの、想像つかないわ。


今日、ふみをお迎えに行くと、先生に呼び止められまして、


「あのぅー、」と、ちょっと言いにくそうな顔してる先生です。


悟空の役は、二人だけ残ったけど、ふみ君の強い気持ちも感じますけど、
でも、セリフを真面目に言えるかというと…。

あと、なにより、先生のいうことを聞いて、それに従えるかどうか…。


という訳で、ふみははずされました。


ふみ君はあんなにやる気満々なので、落ち込むんじゃないかと先生は心配してたけど、ふみは落ち込むところか、
「なんでそんな困った顔するの?僕別になんともないよ、決まったことだし、いいよ」と、さりげない顔で先生に話すと言います。


へぇ〜、ふみ、いつものように強がって。


帰り道で、
「ふみ、ママは猪八戒がいいな、かわいいよ、悟空より、愛嬌があって」

「僕、八戒が嫌いだよ、食べて寝て、食べて寝てだけだもん」


「そうでもないよ、それなりにかわいいじゃない」


ふみ、やむをえなく悟空を断念したのが、悔しかったのか、悲しかったのか、それとも本当に平気だったのか、


わからないや。