お手紙

金曜日、ふみはSちゃんと喧嘩して、迎えに行った時、ちょうど先生が調停しているところだった。

話しを聞くと、Nちゃんの何かの紙が破れて、Nちゃんは泣いて、犯人探しに、Sちゃんが、Nちゃんの隣りに座ってるふみがやったと言って、

違う、やってない、とふみは何回も説明して聞いてもらえないから、Sちゃんに向かって大声をだした。Sちゃんは泣いたという。


「あやまればいいのよ、すぐゴメンねって言えば、だいたいそれで済むのよ」と言いながら、てきとうなアドバイスだなって、我ながら思って。

「あやまったよ僕は」

「でもそれは先生に言われてからでしょう?泣く前にゴメンゴメンと言ったら、泣かなくてすむのにSちゃんは」

「…。でもSちゃんは僕にあやまってくれなかった。僕がごめんなさいって言ったのに」

「女の子だもん、そういうもんよ」
てきとうなアドバイスが続く。



今日の夜、ふみを寝かす時、
「あ、そうだ、Sちゃんからお手紙をもらったよ」
「え?よかったね。カバンに?」
「あ、しまった。ロッカーに置きっぱなし」
「ダメじゃない、せっかくくれたのに、ありえない。Sちゃん知ったら泣くよ」
「え〜〜、やばいやばい、どうしよう」
「なに書いてあったの?」
「え?…、え〜〜、なんだっけ、あ、最初は、“ふ”だった、それ覚えてる、ふーなんだっけ」
「ふみくんじゃないの?」
「そうかそうか、ふみくんへ、えーー、その次は…」

結局何も思い出さないふみ君、相変らず花より団子のふみ君だった。


明日ふみを送る時、玄関で待って、ふみがこっそりお手紙を救出してわたしに渡す。とわたしが提案。

「いいね、それいいね」とふみは喜んだ。







「ママ見て、ジャンプするよ」




「ジャンプ」


「もっかぁい」