夕べ、忘年会に帰ってきた主人から、ふみ、またお友達とトラブルがあったと聞いた。


昨日のお迎えは主人だった。
先生に呼び止められて、ふみくんが、またおともだちとトラブルになって、「私はちょっときつく言ってしまいまして…」と、先生は目を赤くして話してたという。


へぇ〜、全然知らなかった。ふみはとくに変わった様子もなかったしね。


ふみに聞いたら、M君とだって。なんだか…。
M君と聞くと、ふみの顔の痕が思い浮かぶ。

M君の爪の痕。2歳か3歳の時の。おそらくもう消えることはないでしょう。

よく見ないとあまり気づかないキズだけどね。


ふみは遅生まれで、M君はさらに、なんと3月31日。
あと一日だけで学年も違うのに。


なので、ふみもM君も、5月、6月生まれの子に比べて、やっぱり幼い。
すぐ手を出すのは、とくにその幼さの証し。


二人は、よくトラブルがあるの見て、わたしがふみに「もうM君と離れて」と忠告し、これまた大問題になり、二人の先生からお話しがありました。


だけどね〜、現実性のある解決法は、離れるのが一番なんじゃないかな。

大人と同じく、子供だって相性っていうものがあるでしょうに、合わないものは合わないもの。無理に好きにならなくたって、いいんじゃないかな。


夕方に柔道があるため、今朝、登園前に、宿題は先にしてもらった。
今日はわたしのお休み、保育園は多少遅くなったってかまわないから。


「ふみ、なんでまたM君とケンカしたの?離れてって、ママ言ったじゃない」

「だってMと仲良しになってたもん、また一緒に遊ぶようになってたもん」


「でも昨日ケンカしたでしょう?先生も困ったでしょう。F先生、泣いてない?」

「知らないよ」

「F先生は怒ったでしょう?どう言ったの?」

「知らない。聞いてないもん」


聞いてないって…。

「F先生がね、M君の腕を掴んで、僕の腕を掴もうとする時ね、僕はこうして、こうして、こうして、F先生ずっと僕の腕を掴めなかったよ、ははは」
ふみの腕は後ろだったり、上に挙げたり、回したり。
身振り手振りで先生の手から逃げて、掴ませないことを喜んで喋るふみを見て、どんな言葉をかけたらいいのか、わからなくなった。


「だからF先生が怒った。でも僕は腕、掴まれるの嫌だもん。なんで僕の腕を掴んでないと喋れないのよ」


……。


他の子供たちの目もあるし、先生は焦ったでしょうね。


けど、なんと言ったらいいのかは。


男の子って、こういう生き物なんでしょうね。
ま、スイミングところのギャハハハのおてんばのDちゃんは女の子だけど。


この年齢になれば、それぞれの考えや個性はもう出てきて、尊重しないとね、結局、こう認識するほかに、仕方ないじゃないかしらね。


ふみは、相手が先生であろうが誰であろうが、腕を掴まれて話すのは嫌みたいなんだから、先生もわかってくださればね〜。



今日は一日曇り、雨は朝のうちに上がったが、その後、晴れなかった。


夕方、飲み物と飴玉を買って、ふみと、ゆうと君をお迎えに。


今日はSちゃんもK君も柔道に来なかった。



U君、本当に真面目にお稽古するようになって、ふみと比べて、細い手足してるU君だが、こんな真剣にお稽古をしてるなら、そのうち強くなるのでしょう。



イタリア人三兄弟、ぞろぞろと遅刻して入ってきた。

5年生、3年生、1年生のこの三兄弟を見ていると、ふみは、もし三人、いいえ、二人いたらわたしはもう…。


イタリア三兄弟の間で、絶えずケンカをしてる。それもケンカという範囲を越え、殴りあい、回し蹴り、蹴っ飛ばし、激しいこと激しいこと。仲はとってもいいけどね。


ケンカし始まったら、先生がやめろって言っても聞かず、仕方なく先生は彼らの襟と帯を持って、つまみ出す。


正座させられた場所は、わたしの座るところに近い。

「ね、Aって、イタリア語が喋れるの?」とわたしはA君に声をかける。
このA君は三人兄弟の真ん中、一番喋る子。


「イタリア語は喋れない」
思いっきりイタリア人の顔なのに?

「へぇ〜もったいない、一言も?」


「でも最近、Fと遊んで、“抱っこ”のイタリア語を覚えた」


Fは、A君たちのお母さんと再婚相手の間に生まれた赤ちゃん、再婚相手はイタリア人なので、F君はA君たちと違って、日本人の血は混ざっていない。


「Fはかわいい?」

「かわいい」


「Fって、名前よね、苗字は?」


「あ、新しいお父さんの苗字はなんだっけ、長くて覚えられないよ」


「A君たち、お父さんのところによく行く?」

「行くよ、すぐ近くだもん」


「A!お喋りするんじゃない!ちゃんと正座しろー!」先生がこっち見て大きい声で言う。


A君は「チェッ」と。
わたしは、すみません〜と頭を下げる。



ふみは今日も楽しそうに柔道をやってた。


一番燃えてるのは一対一の勝負の時。


終わっても、先生の手を揺らして
「もっとやりたい、ね、もう一回だけ、ね…」
やっぱり幼いわ、ふみ。



今日、ふみに買ってあげたボールペン。

後ろのレバーを押すと、
ボクシングをするサンタクロース。