アルバム
夕べ、パパと一緒にCDロムから写真を印刷する。
ふみが生まれるその日からの。
久しぶりに、パソコン画面からあの時の画像を見る。
ひゃ〜、こうだったこうだった。
ふみは泣いてばかり、どうしたらいいかわからなかった。
こんなにも小っちゃかった。頭が手のひらよりも小さい。
小さくてかわいいな〜、その時は、かわいさと、たいへんさが共存して、たいへんさが勝つ時もしばしば。
見ているうちに、胸いっぱいになって。あの小っちゃいふみが、もうじき小学生なのね。
歳月は、こうやって止まらず流れてゆくものだね。
今日も寒い。1月の東京の気温は、26年ぶりに平均4度だったそうだ。
陽射しがたっぷりだが、気温は一向に上がらない。
夕方、うちに入った途端、
「ママ、目をつぶって、手をだして」と、ふみは両手を後ろに、にやにやして言う。
目をつぶって、手を出したら、小さいブーケを差し出された。
「ぼくが選んだんだよ、ママに。お誕生日おめでとう。ママ、お寿司ありがとう。もう食べよう。ぼくが選んでいい?」
寒いから、外食はしたくない。お寿司を取ろうとパパに話した。
原発以来、ふみにあまりお寿司を食べさせてない、どのへんの魚かわからないから。
今日お寿司にするのも、刺身やお寿司が大好きなふみのため。あたしの誕生日だけどね。
お寿司を食べて、ケーキを食べて、よかったよかった。外は寒い、出かけなくて済んだ。
パパからのプレゼント。
例によってDVD。このドラマ、懐かしい、確かに好きだった。のんびりと生きる一人一人、田園風景の水彩絵をみているようだ。
ふみは、ああみても、こういう系のドラマは好き。今度一緒にみよう。
食べてから、さあ、ふみに初めて見せる、生れた時の写真。
目も開けず、手足、苦しそう、顔に脂分のようなものが、まだ取れていない、そんな小っちゃい命に、ふみは唖然としている様子。
「ぎゃははは」時たま声を上げて笑う。
しかし、やっぱり気持ち悪いみたいで、すぐ違う写真を見る。
「ママ、これは?もう鼻に管をさしてないじゃない、もうだいじょうぶになったの?」
お産の時、わたし、血圧が急激に下がって、心臓も弱って、顔に酸素のマスクを付けられてた。
病室に戻っても、しばらく鼻に酸素の管を付けてた。
写真にもそれが写っていて、ふみは気になったのでしょう。
そうなの、ママは命かけてあなたを産んだの。
明日は節分。節分前にふみを散髪させたほうがいいと、今日の午後に休むパパは、ふみを早お迎えして、美容室へ。
だれのだんじょうび?