スカーフ
朝、昨夜の雪が薄っすらと残って。北風がビュービュー、とにかく寒い。
そんな寒さの中、昼過ぎ、ふみとスイミングへ。
風が強いから、頭にスカーフを巻いて出てきた。
「なんかぁ、…、ヘン」とふみが。
「どこがぁ」
「その頭に巻いてるの」
何がヘンなのよ。白の生地に、黒の水玉、いいじゃありませんか。
模様の問題じゃないのね?わかってるわかってる。
だって、風が強いもん。髪が乱れちゃう。
知人に会い、この子、スカーフで頭を巻くのヘンだと言うのよ。と言ったら、
「ヘンじゃないヘンじゃない、昔の女優さんみんなこうしてた。最先端よ」と知人は笑いながら。
ふみはさほど納得してはいないや。
風が強く、まもなく、スカーフは滑り落ち、首に巻いてる形に。
これでいい?ふみ。
「別に。どっちでも。ママがそんなにしたいなら、いいよどっちでも」
だからしたいじゃなくて、風が強いんだもん。せっかく結った髪が乱れるの嫌だもん。
スイミング、頑張った。
出てきて、今は別々のコースになった立花隆似のDちゃんと会い、ふみは喜んで手を振るが、
Dちゃん、軽く手を振り返し、さっさと通った。
ひゃ〜、薄情やな〜
Dちゃんの魅力、なんとなくわかった。
ふみと楽しそうに妄想話をするし「雨もっと降って、ここが川になって、泳いで帰ろう、ぎゃははは」
ふみと一緒にふざけるし。
保育園の女の子は、こんなタイプのいないな。
この前お迎えに行って、ふみが仕度の間、入口で待ってるわたし。
目の前に、男の子一人と女の子二人が遊んでる。
そこにもう一人女の子がやって来て、その男の子を呼ぶ。
二人は棚の横に来て、女の子が男の子の耳元にヒソヒソ。すると男の子がびっくりして、それから怒った顔をする。
「あたしが言ったのと言わないでよ」と女の子が。
もう二人の女の子がやって来て、「なに言ったの?ねー」
「ううん、なにも」とその女の子が。
はぁ〜、始まったな。なんで女の子は、両舌が好きなんでしょうね。
比べて立花隆似のDちゃんは、個性的な、俗っぽくなくて、楽しいね。