サヨウナラ

今日は、保育園最後の日です。


2歳8ヶ月から、6歳3ヶ月まで、ほぼ4年間、ふみは保育園生活を送ってました。

よちよち歩いて、“さん”の発音を“しゃん”としか言えないふみが、
今の少年のようなふみになって。

たくさんの歳月が過ぎてしまったなって、こんな濃縮した人生を初めて味わう、ふみの背中を見ていて、心にいつもと違うものが湧いてきて、
胸が熱くなりました。


玄関で、正装の園長先生が立ってらしゃいました。


奄美大島の生まれ育ちという園長先生は、4月からもう定年になるそうで、ふみが小さい時からずっと看てくれたN先生も、4月から転勤することに。


はかないなぁ〜

変わらないものがなくて。


帰り道にSちゃんとパパに会いました。

「ふみ君、最近本当に大きくなりましたね」とSちゃんのパパが。


そうなんです。ふみの肩幅は広く、背も伸びて、
すべてが、どんどん変わってゆきますね。


今日は暖かい。
桜のつぼみがだいぶ膨らんできています。気象庁の発表のように、日曜に咲き始めるかもしれません。



夕方、病院によってから、保育園へ。
今日は6時に、卒園生の親たちが園長先生にお花を渡すことに。


保育園の玄関に入って、4年間、数えきれないほど、こうやってこの玄関に入ったね。そう思うと…。


もうすでに何人かの保護者がきてました。


K先生とご挨拶、ふみが入ったばかり時の先生です。「あの年、私は保育士になったばかりで、なにも経験がなくて…」K先生の目はうるうると。

や〜、ダメになりました。涙がぼろぼろとこぼれて来て。

F先生が来て、「あの、来週から、来週からは、もうふみ君、元気な、元気なふみ君と会えなくなると思うと、もう、さびしくて」F先生は目が真っ赤で鼻の先っぽも真っ赤になって、やがて泣きだして、「ふみ君は、ふみ君は、きっとまたいっぱい、いっぱい私が見つけてない素晴らしいところが…、強くて、優しいですし、小さい子が、小さい子が、困ってるの見て、誰よりさきに、さきに、どうしたのって、聞くし、優しいです、強くて…」

「卒園すると気付いたんですけど、この4年間、朝、なんとか、この玄関まで送り出すと、わたしは安心でした。保育園にさえ来れば、もう安心で、もう何の心配もいらないからって…」

「そうですか、それは、私たち、保育士にとって、一番、一番の言葉です、や〜、あの、私は、私は…」

「F先生は、一生懸命で、いい先生です。本当にありがとうございました」

F先生は涙を拭いても拭いても、またこぼれてきて、

わたしも、涙が止まらなくなって。

卒園式で泣いてないのに、今日はもう。



お花を受け取った園長先生も泣いて、「お母様たちもどうかお元気で…」


保育園をあとにした。


「ママ、夜ご飯はなに?」


ふみは相変らず帰路ではしゃぐ。


「あ、ダレンちゃんだ、今日はお散歩した?」



ふみの通園カバン、だいぶぼろぼろになって、カバンに付けてたものだけ残しました。


ほんとうにもう、来週からは、保育園には行かないですね。



今日は、東京では、春一番が吹きました。だいぶ遅い春一番です。