霞か雲か
今日は、お天気が荒れるとの予報で、U君のお母さんから、柔道は休むとの連絡があった。
お天気もそうだし、あとはやっぱり子供たち、なんとなく疲れてるようだ。
急な環境の変化、急にたくさん人との接触、時間帯も活動範囲もガラッと変わり、どこか疲れが溜ってしまう。
ふみは毎日15枚の宿題がある(国語・算数・英語5枚ずつ)、柔道が終わったあと、宿題の気力があるのかしら。
柔道は、やっぱりもう少し学校生活に慣れてからのほうが。
朝、ふみを通学路の途中まで送り出して、お友達とワイワイしながら遠く行ったふみの後ろ姿が見えなくなってから、うちに戻った。
今日は、わたしのお休み。ちょっと疲れたから、ゆっくり休もう。
でも、さくらは散り始めてる。
駅前の土手に向かう。
や〜、美しいですこと!
たまにしかいない通行人。ほぼわたし一人この空間を一人占め。
なんという贅沢な。
ふみは、ほんとうによく忘れ物をする。
スイミングスクールでは水着を二回ほど。
塾では、数えきれないほど。
このあいだの月曜日も、塾から出たところで、「ふみ、忘れ物、ないのね?(カバンに)全部入ってる?」と聞くと、
「入ってる入ってる」と答えるふみだが、うちに帰って、念のためチェックしてみたら、宿題のファイル、ない。
ふみは、パパと、また取りに行って。
昨日は、帰ってきたふみが、知らない上履きを持ってきた。
訳を聞くと、K君のもので、下校の時に、ふみはK君と一緒に並んで帰ったのだが、金曜日でもないのに、なぜかK君は上履きを持って歩いていた。
「K君がね、今日はパパがズボンを用意したから、全然合わないから、落ちるんだよって、ずっと手でズボンを持ちあげてたから、上履きの袋を持ってあげて…」
K君は学童へは行かず、そのままふみと別れて。
パパは学校に電話をして、学校側からK君のお母さんに連絡したという。
K君は、体がとても小さくて、メガネをかけて、弱々しい子なんだ。
「誰もK君と遊んでないの、ぼくが遊んでないと、K君いつも一人でいるの。ぼくはK君が好き。K君もぼくが好きみたいよ、よかった」
「そう〜、よかったね」
「そう、ぼくだけ遊んであげてるの」
「遊んであげてる?ふみ、その言い方はちょっとよくないわよ、上から目線だから。一緒に楽しく遊んでる、でしょう?」
「でもね、K君のママがね、ぼくに、Kと遊んでくれてありがとうって、何回も言ってたよ。なんでそういうかな、ばくK君が好きなのに」
「…」
「今日もね、体育でね、ぼくとK君組んでやってた。ジャンケンで、勝った人がこう、肩を貸して、列車を作るの。ぼく、ジャンケン全部勝ったよ。アイコでショでもK君は負けてた。ははは、あっ、ぼく、ちょっと後悔したな。K君に一回勝たせたらよかったな、昨日上履きを持って帰ったお詫びに」
「…」
「K君、昨日ママに怒られなかったかって心配したよ。聞いたらね、ママは怒らなかった、今度は気をつけてね、だって」
…
ふみは小学校が保育園より楽しいみたい。保育園から帰ってきて、こんなにお喋りすることなかったもの。
保育園ほど、ふみは規制されてないでしょうね。だいぶ気分がよさそうで。
夕飯のあと、雨の中、パパは水泳へ。
ふみは立ったままで宿題をやってる。
「ふみ、ちゃんと姿勢よく座って書いて」
「なんで?」
「なんでって、宿題は座ってやること。全世界どこ行ってもそうよ」
「そうじゃないところもあるよ」
「どこ?」
「ロクベラ県!」そう言って、ふみは渋々と椅子に座る。
シャワーを浴びて、「ウルトラ列伝」を見て、お布団に入った。
「ママ、きみがよ、歌って」
「♪…苔の、むす、まで」
今日、学童で、ふみの歯、一本抜けた。
これで4本目。
今夜は8時20分に眠った。