枝豆


「ずっと世話してくれたおばさんが、老人ホームに入って、“このくまの世話をしてやって下さい”と紙に書いて…。」ふみは、寝る前にパパが読んでくれたクマのパディントンの物語を、楽しそうに話してくれる。



小学校が終わって、学童で学校の宿題を書いて、その後、学童で思いっきりはしゃいで、うちに帰ったら、もう塾の宿題を、あくび連発で、だんだんイヤイヤになって。


という訳で、今は、塾の宿題を、朝にやらせてる。


ふみは、ほぼ毎日6時前ラジオが鳴る時、目覚める。

それから朝食の時間にまで、やることがないから。
時間もあって、頭も冴えて、さすが宿題は機嫌よく、サッサっと終わらせる。



今日は、「自転車の乗り方教室」に行くことに。

ふみに自転車は買ってあるのだが、安心して練習できる場所がなかなかなくて。

その、歩いて行けて、日曜と祭日だけやっている教室は、自転車もただで利用できるし(しかも子供の身長に合わせた自転車を)、教えてくれる教師もいてそれも無料。


ただし、9時30分に始まる教室は、8時から整理券を配る。一回に20人の生徒しか。


今朝7時半すぎ、パパは、ふみを連れて整理番号を取りに。
行ったらすでに行列ができていて、ぎりぎりに整理券をもらった。


うちに戻って、急いで朝食を取って、教室が始まる時間までに、わたしはふみとヘルメットを持って行った。



まずスタンドの使い方から始まる。

開始してまもなく、教えてくれる職員のおじいさんの一人が、もう怒鳴り始めて。


ちょっとびっくり。

「挨拶の声が小さい!!どうなってる?え?!これで何回目!って聞いてるんだ、答えられないの?!」
まあ、こちらこそ、どうなってるの?こんな光景、今じゃ珍しいね。


幸いそのおじいさんの怒鳴り相手は、初級の子ではなくて、そろそろ乗れそうな子ばかり。

「もうちょいだろう!え?! なにもたもたしてるんだ!漕いで、漕いで、前を見ろって言ってんだろうが!…」

それに耐えられない中学生ぐらいの女の子はすぐやめて、
小学生の男の子はしくしくしながら、かろうじて続けてる。
「なに泣いてるのよ!泣く暇あったらね…」
おじいさんは怒鳴り続ける。


ふみは一周、二周、三周…と、両足で地面を蹴って進む練習をする。


2時間半、止まらずに。

今日も蒸していて、スポーツドリンクを、ふみがわたしの前を通る時、飲ませてる。


顔が真っ赤で、ハンドルを握る手の指の一ヶ所に皮が剥けてる。汗がだらだらのふみの汗を拭いてあげながら、休むことを勧める。
応じて座った途端、「やっべ、抜かれる」と、ふみは、ふたたびレースに。



「ママ、その水のところにね、オタマジャクシがいるかもよ」教室が終わっても、ふみに、まだ走る力があるのにびっくり。



うちに帰ってから、「痛い」と訴えるふみのお尻を見て見たら、二ヶ所、皮が剥けて。痛々しい。

馬油を塗って、「すぐ治るよ」とふみを慰める。



朝、私は体温37.7。その後、測っても37.5だった。



ふみと枝豆を植える。観賞用の枝豆を。



水をやるの大好きなふみ。