眠い

曇りの今日は、朝がちょっとひんやり。でもふみは半袖。

大通りの横断で、同級生の男の子と会って、「半袖じゃないんだ。でもそれ、長袖一枚?」

その男の子はモゴモゴして、答えない。

「あー、なにこれ!」ふみはその子の長袖の衿から見えている下着の衿を指さす。「長袖なのにもう一枚着てるの?」とふみは追究する。

「え〜、やめてよ」とその子は困った顔で。



今日は、わたしのお休み。なぜか眠くて眠くて、もうどこへも行きたくない。でも、ふみのパジャマがちょっと小さくなったから、買いに行かないと。


徒歩、新宿へ。だらだらと曇りの空の下で歩く。


今日の夕方は、もしかしてまた突風などになるかもしれないということで、柔道のK君のママとメールで、今日は休むことと決めた。


夕方、傘を持って学童のふみをお迎えして、
「ふみ、今日はU君もK君も柔道をお休みだから、ふみもお休み。お天気が荒れるから」

「え?でも、Sちゃんが行くって言ってたよ」
「そう〜」
「僕も行くから。Sちゃんだけじゃ、かわいそうだよ」
「Sちゃんの学校は今日が遠足でしょう、Sちゃん、本当に柔道へ行くと言ってた?」
「Sちゃんが行かなくても、ぼくが行くよ、一人でも行く」


急いでうちに戻って、ランドセルを下して、柔道着を持って、道場へ向かう。


お天気を案じてるからか、子供は少なかった。Sちゃん、いない。

「え〜〜、僕もやっぱり休めばよかったな〜」
「なによ、一人でもやるって言ったじゃない。先生に失礼よ」
「わかったよ」


途中、Sちゃんが走って来た!

ふみは大喜び。


幸い、帰るまで、雨は、たいした降って来なくて。パパは水泳へ。

ふみと夕飯を頂く時に、空は光って、雨は降って。でも、それほどでもなかった。

「あ〜、心配だな。K君」と、ふみは急に。
K君とは、同級生(組が違う)の、体が小さく、大きなメガネをかけてる男の子のことだ。

「どうしたの?」
「今日ね、列で下校の時ね、またK君と手を繋いでね、で、学童までで、僕たちは学童に入るけど、K君は一人おうちに帰る」
そうだった、K君は学童に行かないんだ。

「で、男の人がそこにいて、K君はその人と帰った。う…ん、悪い人には見えないけど、でも、だいじょうぶかな」

「え?K君はその人を知ってるの?」

「うん、二人とも笑ってた」

「じゃ、お父さんじゃない?」

「そっか。じゃ、だいじょうぶだね」ふみは、やっとご飯を食べ始めて。

「あ、そうだ、ぼく将来、お蕎麦屋さんになろうかな」

「えぇ〜〜、そう〜、じゃ、パパと一緒にお蕎麦を打って?」

「うんん、違う、パパが食べに来るお店をやろうかな」