秋深し

早朝、物音がして、目覚めて見てみたら、まだ暗い中、小さい姿が動いてる。
「ふみ、何をしてるの?」
「あのお面は?」
「そこ、加湿器のところにあるでしょう」
「あっ、ひひひ」
ふみは、そのツタンカーメンのお面を持って、また布団に入りました。



朝晩、だいぶ冷え込んで来ました。
長い長い夏はたいへんだったけど、急にこんな気温が下がるのも…、わがままばかり言っているわ。



三連休明け、ふみは機嫌よく学校へ。やれやれ。わたしは、ちょっと、疲れました。


月曜日の観艦式の予行へいらした方にお話を伺ったら、
朝早く船に乗り、40隻ほどの船なので、いっぺんに動き出すわけには行かないですから、順番待ち。
やっと動き出したら、目的地まで、片道2時間。
観艦式自体は1時間ほどで終わって、それからまた船が順番に動き出し、2時間かかって港に戻る。

なので、まる一日、船の上です。


ひゃ〜、厳しいどすな〜。

なんだか、14日本番のチケットは取れないほうが、ホッとする気がします。ふみを連れてだと、やはり、厳しいどすな〜

それにしても、チケットを頼んだ方から、何の連絡もありませんね。
観艦式、陸軍の演習と違って、2、3年に一回なので、チケットは取りにくいと聞いてます。


学童クラブの0さんから電話がかかって来て、なんと、ふみの行方不明の着替え、出てきたと。

ま〜、早いですこと!

ふみの隣りの子のロッカーにあったそうです。

ふみの隣りロッカーは、Tちゃんの。とてもしっかりしてる女の子で、自分のロッカーに、人の着替えが入ってるのに気付かないのは、ちょっと考えられないです。

きっと、学童から、ふみの着替えの特徴を書いた紙を、みんなの連絡帳に貼ったら、誰か着て帰った子が、慌てて思い出して持ってきて、職員に言うのは、ややこしくなると思って、適当に誰かのロッカーに入れた…そうに違いないでしょう。


それにしても、わたしは、着替えが無くなってると伝えたのは、先月のことで、どうしてその時、対応してくれなかったのだろうか。

一々文句を言わないとダメな世の中になって来ているってことかしら。




日曜に観た辻村寿三郎の人形展に、「切り首」が結構ありました。

処刑場の雛壇に置かれた切り首たちを見て、処刑について、ふみが尋ねてきたので、わたしは現代の死刑の話しまでしました。
「…日本の死刑の執行はね、刑務官の精神負担を減らすため、誰によってその死刑囚を死なせたのかが、わからないように、ボタンが三つあって、刑務官三人が同時に押すのよ…。中国は、確かに拳銃で、アメリカは、電気ショックかな、注射かな、州によって違うんだっけ…」
ふみは黙って聞いて「その人たちは死んだら天国に行くの?」

「それはないでしょう。悪いことをした人間は、天国に行けるわけないよ。地獄に落ちて、さらに苦しんで、生まれ変わったら、もちろん人間にはなれないらしいよ…」

ふと、(これは子どもに言っていいのかな…)と思いました。


ふみは、明らかに死刑に反対しています。わたしは賛成派ですが。

けど、ふみは、怒りすら見えて、警察や、国によって、人を殺していいのかと問うのです。

大きくなったら、死刑反対運動をすれば?