黒ゴマ
土曜日、ふみとお習字を精進する。
ふみは、字から筆の使い方から、わたしと真逆で、豪快そのもの。
墨をたっぷり浸けて、力強く紙に押すように書く。
わたしは半紙がもったいないからと思って、一枚に隙間なく、K先生(今までKさんと呼んでたけど、もう“先生”と呼ばないと)の手本の字を見ながら、自分の字の下手さに驚きながら、書いて、
ふみはというと、まるで名人の振る舞い、
半紙一枚に一言書いて、署名して、「もう一枚!」
今日は一日冷たい雨が降ったりやんだり、昨日よりずっと寒くて。
夕方、帰ってきたふみは、上機嫌。
「ぼくね、みんなにもう言ったよ、パパがね、出張から帰ってきてね、巨大なウルトラエッグ買ってくれるんだよ、お土産に」
「ふみ、わからないよ、パパは買いたかったけど、無かった、とか」
「う…ん、それでも僕は怒らないよ、いつかは買ってくれるから」
ウルトラエッグは、玉子形で、ウルトラ怪獣に変形できるオモチャ。
ふみは小さいのを持っていて、前の授業参観に、“好きなもの”か“大事なもの”という発表があって、
ふみはそれを持って行って、エッグを変形させながら、説明してました。
宅急便の不在票があって、Fさんからの。
再配達を頼みたいが、時間がわからないから(ふみが塾にいる間、近くのカフェで待つことにした、もう、暗くなってからの一人外出は心配)
再配達は明日にしようかなって、ふみと外に出たら、前の通りで宅急便の方に会って、この方、学校の運動会で会ったことがある、父兄のようだ。
わたしをみて「あ、荷物ありましたね、どうします?これから何時がいいですか?」
「7時以降が無難ですけど、ダメですよね」
6時〜8時という指定時間帯はあるけど。
「そんなことないですよ、全然いいんですよ、7時ね、あとで伺います」とその方が。
ふみに聞いたら、3年生の誰かのお父さんだよ、と。
塾まで、ふみは傘であっちこち叩いて、笑って、
「上機嫌だね、先生に誉められたの?」
「あの先生、毎日、不機嫌三昧だよ、僕はね、パパがお土産買ってくれるからよ」
不機嫌三昧って、失礼な。
学校で、おうちでのお手伝いしたことを書くようにとのプリントがあって、
まー、ふみは書くわ書くわ、
最後、「お母さんのかたもみ」「お母さんのけいたいをとる」
(^o^)/
肩揉みって、しぶしぶだし、何秒しか続かないし、
携帯を持ってきてくれる?、というのは、よくあるかな。
だって、着信音が鳴って、手が空いてない時だけよ。
おつかい、というのも書いてあった。
おつかいは言えてる。
異様に積極的。ふと思うのは、この人、勝手にジュースを買って飲んでから帰ってきてないかしら。
今度からレシートを持って帰るように言おう。
日曜日も、おつかいに行ってくれた。
大根のサラダを食べたいので、ゴマのドレッシングを買ってくるように頼んだら、
携帯かかってきて、「ママ、ゴマのあるけど、黒ゴマのは、ないよ、ゴマだけでいい?キューピーの」
黒ゴマって、頼んでないのに。