雨
学童クラブは9時からです。
うちから近いので、8:50に出れば充分です。
朝起きてふみは、塾の宿題をやることに。
本人も学校じゃないと思って、いつもよりはのんびりというか、だらだらというか、
早く顔を洗って、歯を磨いて、早く靴下を履いて、
もう何回言っても、まるで聞こえていないようで、
こっちだって、もう出なくちゃいけないのに。
今度は、玩具を持って行きたいと言い出して(学童では、ゲーム機以外は持って来てもいい)、しかもあの巨大なウルトラエッグを。
え〜〜、今日は雨と言うのに、時間もないのに、勘弁してよ〜〜
ウルトラエッグの巨大の一個と小さいの三個を、大きい手提げに入れて、
「ちゃんとファスナー閉めてよ、雨に濡れたら、全滅ですから。あと、覚悟したほうがいいよ、誰かお友だちがこれを壊すとか、泣いたりしちゃダメよ、貸してって言われたら貸すのよ、それくらいできないと…」
「やっぱり、やめる。いいよ、持って行かない」
え〜〜、勘弁してよ、あの巨大エッグを入れると入れないのとでは、手提げも違いますから。
またいつもの学童用手提げを出して…
時間が…
あっ、ふみの爪切ってないじゃなぁい、昨日から言ったのに、やだやだって、どうするのよ、もう時間ないと言うのに。
でも今日は、学童で昼食作りの日です。ふみたちはエプロンと三角巾を持参して、職員たちと一緒にハンバーグを作るそうです。
爪をちょっとでも長いとダメじゃなぁい。
ふみの爪を切る。
「ふみ、待ってー、傘!」
仕事先に向かって走る。
雨は、予報通り、午後3時頃降ってきました。
冷たい雨が傘にぶつかって、パラパラではなく、ササササという音がして、もしかして、みぞれ?
車のライトに照らされ、傘をさして、帰路のふみが見えました。
「ハンバーグ、うまくできた?」
「う…ん、作るのが面倒。手でぺしゃぺしゃ、やるのも気持ち悪かった」
「あれ?ふみ、上履きは?」
「あっ」
うそでしょう、あれだけ言ったのに、持って帰って持って帰ってって、洗わないと、もう新年だよ〜
もう…。
小児科のS先生が「あなたは男兄弟がいないでしょう?男って、小さい時からこういうもんよ、宇宙人よ、宇宙人と思ったほうがいい」と、おっしゃってましたね。