またランドセル
昨日、貸してもらったランドセルを抱えて歩いて帰る時に、向こうから何人かの女性が談笑しながら歩いてきて、中に小柄の一人がいて、暗い中でも、ふみの保育園の、最後の一年間の担任だったF先生だとわかった。
F先生の方もわたしが見えたようで、立ち止まって、「ふみくん、元気ですか」と、目をキラキラさせて、いきなり聞いてきました。
一瞬、F先生は、やっぱり真面目な先生だなと思いました。
前もそう思ってましたけど。
ただ、力が入り過ぎて、真面目過ぎて、一生懸命過ぎて、で、余裕が欠けて、ですね。
「はい、おかげさまで。これ」とわたしは手にのランドセルを見せて、「ランドセルが壊れるほどです。今、修理にだして、その間、貸して下さったものです」
「あ、とてもよく伝わってきました。ふみくんの元気な姿。あ、よかった、よかったです」
F先生はやはり目をキラキラさせて、今度のキラキラは、ちょっと涙目に見えました。これは、あと少し言葉を交わしたら、泣いてくるに違いありません。
F先生は本当によく泣くんですから。
「では」
「あ、あの、お母さんも、お風邪を引かないように、あの、お気をつけて下さい」F先生は走って去って行ったのです。お友達を追っかけて行ったのでしょうけど、涙がこぼれたに違いないです。
しかし、わたしは、この寒さの中で、本当によく歩くですこと。
どうせなら、お遍路さんになればって言われそう。
今日はPTA広報の集まりがありまして、第二回目の広報誌発行のため。今日は業者さんがくるので、その打ち合わせも兼て。
12時からなので、うちからは11時に出ないと。
先日撮ったヒップホップの写真を印刷しようとパソコンを開いて、
ふみもその写真たちを見に来て、それはいいが、なんと、よく見えるように、ふみは下に置いてるランドセルに乗っかって、…。
ふみのお尻を叩きました。
「自分のランドセル、自分で壊して、これから6年間、紙袋でも、ビニール袋でも持って学校行くのは、あなたの勝手、あなたさえよければ。けどこれは借りたランドセルでしょう、あれだけ“大事にしないとダメ”“大事にしないとダメ”って言ったでしょう、どうしてこういうことするの?!」
わたしは本当にいかって、いかりを抑えることができません。
「ただ写真を見たかっただけなのに、ただ写真を見たかっただけなのに」
と、ふみはわんわん泣くのです。
疲れました。この子、どうしてこんなに言葉を通じないでしょう。わたしは日本語で言ってたはずですけど。
「言葉を通じないのなら、痛みで覚えさせるしかない。パパにもメールをするよ、帰って来たら、パパにも叩いてもらうから」
「いやだいやだ、パパに言わないで…」
近所に乳児院があって、世の中の乳児院にランドセルが、親切な方から贈られるニュースになってるときに、そこの乳児院にも届いたらしいです。ベビーカーと。
ふみにその話をして、世の中に恵まれてない子どもがたくさんいること、ものを大事にしないとダメなこと、
…
疲れました。わたし。毎日毎日。一人で休みたい。
いけないっ、時間がないわ。
ふみに、たらこパスタを作って、自分ではシャケを焼いて、シャケ、思ったより時間がかかってしまって、結局、塩昆布とシャケのお茶漬けにして、何とか口に突っ込んで、食器などを洗って。
急いで出かける。
今日は遅刻だわ。わたしが一年のくせに、遅刻はないでしょう。先に行って、暖房とかをつけて、後輩らしくしないと。
暖房が全くと言っていいほど効かないですけど。
飛行機雲に違いないでしょうけど、一応。
ふみを支援センターに入れて、わたしは小走りで学校へ向かう。
12時からの集まり、終わったのは4時過ぎ。
疲れました。楽しさもありますけど。なにより寒い。この季節、暖房が効かないと、もう苛酷な修行と一緒よ。
やっぱりお遍路さん向き?
やややや、お遍路したいとの気持ちは、悪いけど、皆無。
夕飯は、生姜とニンニクをたっぷりおろした、暖かい玉子とじソバです。
冷たいお蕎麦にしか興味ないふみも、おいしいおいしいと食べてくれました。
今日はパパは午後からお休みを取って、ふみと一緒でした。
ひそかに「パパに怒られたでしょう」。わたしはメールでランドセルを乗っかることを教えましたから。
「ううん、怒ってないよ。これからは気をつけてくださいね。もうしないでくださいねって言っただけだったよ」
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学校でお店屋さんごっごをやって、ふみは、お魚屋さんをやったそうです。
パパは、ふみが描いたさんまが一番好きで、ふみ自身は、とびうおがお気に入り。