咲きました
今日は、ふみのモルモット世話当番の日です。
普段は子どもたちが毎日やってますが、土日・祭日は、みんなで順番でします。もちろん申し込まなくてもかまいません。
ふみは、毎朝早くうちから出るそのわけは、モルモットの当番ができることです。
モルモットの世話が大好きのようで、「ママ、今日はもうママは何もしなくていいから、見てるだけでいいよ、僕がどうやるのか見ててね」
なんと頼もしい。
掃除機をかけ、9時過ぎに、ふみとうちから出ました。
道端の草に、霜柱たくさんありました。
夕べ、氷点下だったもの。今日は北風が昨日ほど強くはないが、でも寒いです。
もう寒さに、あきたわー。春よ、来い来い。
学校が見えて来て、「あっ、」と、モルモットへの、キャベツや、人参の皮を持って来るの忘れたことが気付き(@_@;)
駅まで戻って、コンビニから、千切りのキャベツを買って、また学校へ向かいます。
「あっ」とふみは、自分の上履きを持ってくればよかった、と言い出して。
本当だ!学校のスリッパは、大人用で、階段など、危ないわ。
それに、どうせなら体育着も持ってくればよかったのね。週明けの荷物もなくなりますし。
モルモットに触れるのは、わたしは初めてです。
“小動物”という言葉に、こんなにもぴったりなのね。
かわいくて、いつもビクビクして、暗く狭いところにすぐ入りこんで、臆病そうに、怯える。
気が付いたら、「ママは見てていい」と、いってたふみ、堂々とわたしに指示を次々と出すのです。
「このうんちのお皿をだして、そっちのゴミ袋に捨てて」
「お皿はあそこで洗って、一点注意、石鹸、絶対使っちゃいけないからね」
「まずロック(モルモットの名前)を出してよ」
あれ?ま、いいか。
「なんでゴム手袋をつけるの?誰も付けないよ」と、ふみはまた指示を。
「ふみは何をやるの?いつの間にか全部ママのやることになったじゃない」
「ぼくは、こいつに餌をやるから」ふみはロックに指をさす。
スマホで写真を撮るわたしを、ロックはびっくりして、じろじろとこっちを見るのです。
「こんな細かくしてるから食べないんだよ。食べて、キャベツだから」
いつもと大きさが違うからか、機械で切って、鉄っぽい匂いがしてるのか、ロックは、千切りのキャベツに、しばらく戸惑って、ふみの根気のよい勧めにより、やがてパクパク食べるようになりました。
二組のSさん親子も来ました。もう一匹のモルモットの世話を。
「××さん真面目ね。キャベツ持ってきてと書いてるけど、ここ、いっぱいあるもん、調理室の残りとか」とSさんが。
なんせ、初めてだもの。前回は、ふみの病気で来られなくて。
生き物はかわいい、が、飼うのはたいへんなことだと、改めて知らされました。
霜柱がまだ溶けていないというのに、素晴らしい。
電車で乗り換えてして、神保町に着いて、もう11時になっていました。
今日は徒歩で帰るつもりなので、少し早いが、昼食をすることに。
岩波ホールの近くの一軒の中華屋に入りました。
以前、パパとここで何回か麺を頂いたことがあります。
ふみは暖かい麺があまり得意じゃないので、蒸し餃子やシュウマイのあるバイキングを選びました。
2階に案内されました。
う…ん、大きめの蒸し餃子も、大きめなシュウマイも、小さくふわふわのあんまんも、みんな美味しそうで、
けど、環境が…。
ふみとすわった席の隣りの男性が、トレーを持って、席に戻って、ふみがさりげなくそのトレーを見たら、即、目を丸くさせました。
男性のトレーに、お皿が三枚。二枚には、びっしり盛ったお料理、これはいいが、もう一つのお皿に、なんと、これ以上盛りきれないような、白いご飯。
「ふみ!」とわたしは小さい声でふみを注意して、同時に、わたしも驚いて、けど、見たい気持ちを抑えます。
ご飯、お碗ではなく、お皿…、なにがどうなってる?
その男性、黙々と、パクパク。
そのさらに隣りは、巨漢一人。
巨漢さんは、お行儀よく、ご飯はお碗、おかずはお皿、スープは小さいお碗、点心類は小さいお皿。
という訳で、頻繁に立ち止まって、お代りに行くしかないです。
巨漢のジャケットは、とうにファスナーなんぞ閉まらなくて、そして何と言っても、足にはスリッパ、しかも裸足で。
部屋中、なんとなく、お洗濯しているのは何年に一回じゃないかというような匂いが漂って、誰一人(当たり前、わたしたち以外、みんな一人)しゃべる人もいなく、静けさの中に、物を噛む音、鼻を啜る音…。
ごめんなさい、わたし、もう食欲皆無。
ふみは美味しそうに蒸し餃子とシュウマイを食べて、スマホをいじるわたしに向かって、秘かな声で「ママ」、
何を言うのか、大抵見当つくので、軽く頭を横に振る。
ふみも食べるのやめて、杏仁豆腐(しかも汁ばかり)をお代りして、スプーンで飲んでました。
12時近くになって、下からガヤガヤという声が聞こえ、お客さんが入って来ました。
いつの間にか、静かな個人たち、静かに去り、ガヤガヤの集団、ガヤガヤとテーブルを囲みました。
「おい、ここのシュウマイがうまいんだぞ」
「ははは、ビールよビール、まず」
「××はまだ?まさか道を迷っちゃたのかな」
「ぼけた?まだ早いよ、あははは」
わたし、同じ店に座ってるのでしょうか。11時から12時の間、ここで、あれは確かに夢じゃないでしょうね、確かに。
あの山のように大きいお皿に盛られた白いご飯は、マボロシだったのでしょか。
あのお洗濯をしていない独特な匂い、まだ微かに…、いや、それも消えてました。
お店を出てから、一階で麺を食べればよかった、とわたしは一階を覗きこんで、うん、昔と変わらないわ。
ふみと本屋さんに行って、「東京堂」という書店、なんだか分からなくなるほど変わりました。きれいになりましたが、どこになんの本が置いてるのか、さっぱりわからなくなって。
本の街のここは、高いマンションがそびえるようになって、古本の店の間に、八百屋さんが出来ていました。
「さぼうる、という喫茶店、すごく雰囲気があるのよ、今度ふみ、パパと行ってね」わたしは、もう右も左もわからず、辿り着く自信がありません。
神保町、かわりましたね。良いことだろうか、悪いことだろうか。
ふみが生まれる前に、主人とよくこの街に来て、
父親ともここに来てました。
古本屋に入っては出て来ない父でした。
神保町をあとにして、歩いて帰ります。
もう靖国の巨大な鳥居が見えてきました。
ひぇ〜、こんなに近かったっけ、つまんない。
鳥居の下、もう、都内の全ての×翼の車が集まってるんじゃないかという数で、ちょっとびっくり。
警官(私服)の数もたくさんで、でも揉め事がなく、私服たちの誘導の下で、黒い旗だらけの車が、紀律よく、数制限ありで順番に出かけます。
私服の方たちも結構な風貌で、イヤホンがなければ、どっちがどっちなのか、見わけつきにくいほど。
民主バンザイ。
骨董市をやっています。
時たま×翼のお兄さんたちが、掛けてある旧軍服を手に取って、検討している。
そこまでじゃなくても、今身に纏っている迷彩服で、もう充分な迫力ですよ。
ふみは、そのお兄さんたちに全く認識不足で、恐れも知らず、その傍をすれ違って。
「ママ、これ、まだタマシイが残ってるでしょう」と、ふみはそれら軍服関係を指さす。
\(◎o◎)/!
撤退撤退。
ふみを連行。
民主バンザイ。
濠に沿って、帰路。
道端に咲いた沈丁花を見つけました。
うれしい〜、酔うほどの香りが。
沈丁花の一番咲きかしら、そうしたらうれしいわ、見逃さなかったことに。
ふみ、またいろんなところへ歩いて行きましょうね。