こんな日は
あのすさまじい台風、まるでウソのように、とっても澄んだ空を迎えて、
キラキラな秋晴れ。
知人は小さい事業を始めて、ふみに、“たけのこ”の字か絵をほしい、と。
「ふみちゃんが描いたなら、なんでもいいよ、開業の日に飾るかも」と知人が。
ふみに書かせて、今日、知人宛に送りました。
午前、仕事先で、わたしにとって、考えられない、残酷、不可思議、史上空前な大“事件”発生しました。
それによってわたしは、今も食道あたりが、激痛に襲われて。
“ゴ”を付く虫、わたしの大の苦手です。
皆様にお伺いしたことがあります。
誰もが“ゴ”を付く虫が嫌、嫌だけど、ま、しょうがないから、出てくれば、叩くか、踏むか、なにかの措置は、落ち着いてできるそうです。
“ゴ”に遭遇すると、パニック状態に陥るのは、どうも、わたしだけなんです。
ふるさとには、あの巨大な黒く素早く動く生き物は、ないです。
来日して始めて存在を知り、動物園ではなく、人びとの邸宅に出没することに、たいへん驚き、受け入れられなく、パニック状態になります。
かれこれ20年、わたしはこの現象に慣れそうにありません。
そのことが判明して日にちがあまり経たない今日、“ゴ”が、仕事先に現れてました。
“ゴ”が仕事先に現れるのも、充分不可思議なのに、さらに不可思議なのは、現れる場所でした。
同僚に尋ねなければならないことがありまして、わたしは同僚の席に行って、聞いて、また自分の席に戻り、手にペンを握り、紙に書き出して、
右側の耳元に、微かな“サササッ”の音が聞こえて、
わたしは顔を上げて、何の音だろう、翼を擦るみたいな音で。
うん、わからない。わたしは続けて紙に書いて、と、その時に、視野に、左の袖に、微かな黒い影が、
恐る恐る顔を左へ向けて、見てみたら、
わーー、誰!! 何?! ウソ〜
持ってるペンでその黒い影を払い落とし、わたしは同時に絶叫しながら、飛び上がりました。
同僚の話しによると、座ってる姿勢のまま、わたしは飛び上がったのです。どこかの教祖さまの修行の映像のようだったそうです。
わたしは両手で頬をふさいだり、口をふさいだり、耳をふさいだり、地団駄踏んだり…。
ワケわかりませんが、できればわたしをこの嫌な地球から、宇宙へ発射してほしい。
黒い影は、コンセントがごぢゃごぢゃ絡んでる暗闇に、消えて行きました。
ダメダメダメ、いるのは、ダメ。
Yさんは新聞紙を丸めて叩こうとするが、狭い場所にいて、うまくいかない、
来客のSさんが、「どれどれ?ちょっとティッシュないかな」と、渡されたティッシュで一発で黒い影を掴み、丸めて、ゴミ箱へ、プイッ。
すごっ!!
地球が除暗復明、わたしは宇宙から戻らければなりません。
なんで?どうして?、第一この事態は、どうやって?
落ちた!? 飛んできた!?
…。
わたしの気力がすっかりなくなったのが、唯一判明しやすい事実でした。
ショックにより、くたくたのわたしは、
虫に好かれてる!?
ムツゴロウ賞受賞しそう!?
隕石にあたる如く!?
宝くじを買ったほうがいい!?
「あれ?どうだったっけ、わたしの衿に入った…」わたしは、ちょっと記憶混乱し始めたようで。
最初から全部幻覚だったよって、誰か言ってください。
うちに帰って、下校したふみに、フレンチトーストをおやつに作りました。
シャワーを浴びて、おいしいおいしいとふみは食べてました。
うん、だいじょうぶ、わたしはまだだいじょうぶ。
夕飯は、シチューにしました
わたしは、睡眠薬でも飲まないかぎり、眠れないのではないでしょうか。