♪リンゴの木の下で〜

週末にふみのスニーカーを洗って干して、先週洗い干したのを使わせます。

小さい時と違って、たいして汚れはしないが、汗もかくでしょうし、毎週洗うようにしてます。

今週のスニーカー、泥まみれでびっくり。

「どこか行ったの?」

「学童でみんな公園に遊びに行った。Tちゃんがね、わざわざ水を運んできて、僕の足にかけたの。もう靴も靴下もびしょびしょ、全然謝らないで笑ってんの。僕ね、月曜日学校に行ったらね、N先生に言うよ、N先生にTちゃんを怒ってもらうから」

「へぇ〜、Tちゃんが?珍しいね。どうしちゃったのかしら、その前、ふみは何かをしたんじゃなくて?」

「僕なにもしてないよ!女の子と遊んでないもん。なにも関係ないのに。しかも謝ってもくれないしさー」

「へぇ〜、あ、わかった、ふみのこと、好きなんじゃないの?そういうタイプの子がいるのよ、好きだけど、不器用だから、意地悪するしか、気持ちを伝えることができない、みたいな」

「違うよ!」とふみはあきれた顔で、「不器用じゃないもん、ホースをね、こうー引っ張ってね…」


そういう物理的な不器用さじゃないのに。


Tちゃんは、4歳から詩を書ける子なんです。
文章もうまくて、感想文は区のコンクールで受賞して、ケーブルテレビに出てました。

文才があるものの、人間関係が、あまりうまくないようです。
今までTちゃんのお母さんからも、娘の人間関係のことについて、いろいろ話してくださいまして。

1年生の時に、Tちゃんが、みんなが、自分と一緒に歩きたくないからって、学校へ行くのが億劫になると、お母さんに悩みを打ち明けてたそうです。

話を聞くと、通学路で、子供たちはよく一斉に走り出して、走りたくないTちゃんは、残される。だそうです。


ふみもその中の一人です。

ふみに、通学路で走ってはいけない、それにTちゃん一人残されると寂しいし、危ないから、と言い聞かせたら、
ふみ、翌日の体育の時に、「ごめんね」とTちゃんに一言謝ったそうです。
これもTちゃんのお母さんからききました。
「とても喜んでましたよ、“ふみくんだけ、ごめんねって言いにきた”って…」とお母さんが。


今日は、ふみは英語教室でTちゃんと一緒です。




スニーカー水かぶりの件で、なにか衝突しなきゃいいなって案じながら、カフェで2時間近く座って待ちました。

お迎えに行ったら、ふみ、普通にTちゃんと話しながら出てきました。

お迎えにきたTちゃんのお母さんとも普通にご挨拶して。

Tちゃん親子と別れて、「靴のこと、Tちゃんのお母さんに告げ口するかと思って、ハラハラしたよ」

「しないよ、そんなの」

「Tちゃんにも?なにも言わなかった?」

「別に言わないよ」ふみ、またあきれた顔で。

「だからTちゃんは、ふみのことが好き…」

「ない、ない、それはないから、もうそう言うの言わないでよ」と、ふみは、さらにあきれた顔で。




帰りは、ふみの強い要望で、リンゴの木を買いました。

どうしましょうね〜、大きくなるでしょうね〜