冷たい雨

今日はふみの英語発表会兼ハロウィンパーティ。


冷たくて強い雨の中、ふみと貸し会場に着いたら、子供たち、みんな仮装してて。

うちだけ私服。


わたしは、仮装することは聞いていた。
けど、どう間違えたか、わたしは、教室側が用意すると理解した。

恥ずかしい。

もう、帰りたい。

わたしがふみの立場なら、泣きながら帰っていたのに違いない。

ふみは、「僕、別に衣装着たいと思ってないから」と言って、普通に子供の群れに入った。


なんでわたしは、衣装のこと、全然わからなかったでしょう。

教室の受付で、事務の方とお話をした時に、わたしはきっと、相手の話を理解しきれなかった。


これが母語だったら、…。いくらかマシなのでは。
衣装がどっちが用意するぐらい、聞き間違うはずはない。


わたしの日本語は、もう限界に達してる。
恐らく一生この調子。
哀れなことに、母語も忘れつつ。

外国は故郷になれず、故郷は外国になった。→墓誌にしたい言葉。


カラフルな格好の子供の中、水色の長袖シャツのふみを、見ることができない。
ただただ申し訳なくて。

下に向いてるわたしは、この場所からすぐにでも離れたい。


年齢順で行なっている、 小さい子たちの発表は、だらだらと時間がかかる。


わたしは、会場を出て、雨の中を走る。

日曜なので、お店ほとんどやっていない。

一軒の百円ショップに入って、ハロウィンの衣装ないかなって、探したら、ハロウィンの飾りばかりで、衣装はなかった。

みんなは事前に雑貨屋さんか、ネットから買ったでしょう。

カボチャのお帽子があって、買って、雨の中を走って会場まで帰ってきて、

けど、帽子だけじゃ、恥ずかしくてどうしても出せなかった。
泣きそうな気分。

まもなく、ふみの発表。
水色の長袖シャツのふみは、すらすらと言えて。よかった。

発表会が終わり、次はパーティ。

もう帰ろうとふみに言ったら、

いや、残るのよ僕は。とふみが。


さらにカラフルの子供たちの中、水色の長袖シャツのふみは、楽しそうに、みんなと一緒に遊んでた。


この何時間、わたしは苦痛だった。



「ふみ、ほんとうにゴメンね、全部ママが悪い」帰り道で、かろうじて声を発した。

「いいよ。僕は別に気にしてないから、あー、楽しかった、来年も参加しようね。来年は、…、衣装用意してね」


(T_T)


今日は、東京の最高気温は15度でした。






わたしの好きな小説が映画化され、来年1月公開される。
待ち遠しくて、前売券を購入。特典のお香袋が付いてて。