お菓子
火曜日は雨で寒くて、昨日は日差しがギラギラで暑い。
季節の変わり目の気温変化の激しさについて行けなく、わたしはちょっと風邪気味。
頭が重いというか、痛いというか、お薬を飲んでも、変わりはない。
ヨガを諦めて、うちに帰ったが、ふみはグズグズしてた。
今日はハロウィンなのに、うちはお菓子がない、と。
パパは忙しい、ママはちょっと頭が痛い、
「前から言ったのに」とふみは納得しない。
うちは仏教信仰ですから、ハロウィンはキリスト教、
「ママだって教会行ったことあるでしょ」とふみは。
ハロウィンなんて、お菓子協会の陰謀だよ、バレンタインがチョコレート協会の陰謀と同じく、
「意味わかんない」
ふみ、泣き始めて。
わたしは着替えた。頭が痛いが、「わかった、デパートに行くわ」
「え?!」とふみが。
止めに来るかと思ったら、
「こ、こん、コンビニでいいのに」とふみはシクシクしながら。
7時、まだ間に合うかなと外で歩くと、頭痛とだるさと、腹が立つ自分がいた。
でも、よく考えると、自分が7歳だったらと考えると、ふみのがっかりした気分は、よくわかる。
期待して期待して、親がくだらないと思ってるだけで、期待はあっという間潰される。7歳のわたしなら、号泣するわ。
“×××ちゃんのおうちなら…”
“×××くんのお母さんなら…”と、7歳のわたしなら、いっぱい言えると思う。
ハロウィンの今日、学校の給食のメニューはそれらしきになって、
学童はおやつからイベントまで、
なのにうちに帰ったら、夢やぶれ期待やぶれ。
かわいそうよ、わかるわかる。
けど、さすが地下鉄に乗ってデパートまでは、気力がなく、かといってコンビニも悔しい。
駅前の洋食とお菓子の老舗に入って。
このお店に入ると、いつも“NHK”という言葉が頭によぎる。
民放と違って、真面目で堅い。
“NHK”は、ハロウィンっぽいカボチャが一個小さいの置いてあって、それらしいお菓子は、なかった。
普通のお菓子を一箱買って帰ったら、ふみは泣いてた。
パパに言われたでしょ、ママは頭が痛いのに、お菓子のために…、と。
せっかく頑張って行ったから、みんな気持ちよく丸く収まったらいいなと思って、
「ふみ、ママは別に怒って出たんじゃないんだからね、ほんとうにお菓子を買いに行きたいから行ったんだから、喜んでくれたらそれでいいのよ」
ハロウィン、お菓子をもらえるじゃなくて、カボチャをもらって食べるのなら、ふみは、とうに、「おかしいよ、うちは仏教でしょ」と言うに違いない。