雨上がり


二日ぶりに晴れて、安心して洗濯をします。


昨日の映画を観て、日本の美は、やはり、わびさび、だということを、あらためて感じて、

ここまで丁寧に作る映画は、目が養われます。

主演は、さすが歌舞伎役者、立ち振る舞いはなかなかなもので、感心してしまいます。





午後、仕事から抜け出し、ふみの保護者会へ。

2年生最後の保護者会ですから、出ないと、って、自分を説得して。


学校の行事に、どんどん億劫になるわたしです。

ま、行ったらそれなりに楽しいものも、勉強になるものも、あるとはわかっておりますが。


N先生がわたしに、「この前、子供たちに、ふみくん入院して手術することを、お話ししました。来週月曜が最後だから、お楽しみ会にしようかって言ったら、みんな大賛成で、じゃ、なにしようかなって言ったら、よくふみくんと喧嘩するMくんが、“ふみくんに決めてもらおう”と言ったんですよ。で、ふみくんはしばらく“う…ん”と考えて、“なんでもいいよ”って、…」


ふみ、こういうことをママに話してちょうだいよ。そうするとママは只今の一人ずつのご挨拶に、その話を触れたことができたのに。


全然知らなくて。

その前、ふみが急に、「そう言えば、月曜日のスピーチ、僕の番だけど、病院に行ったことを発表した。採血したって言ったら、Kくんがバカな質問をしてたよ、“なんリットル採られましたか”って、みんな笑ってた…」


それを聞いて、へぇ〜と思ったわたしでした。

言いたがらないだと思ってましたから。

「で、みんなは、どうして病院に行ったの?とか、聞かなかったの?」とわたしが聞いて、

「聞かないよ、そういうことは、だって、聞きづらいでしょう、そういうことは、だいじょうぶなら本人から言うでしょう、聞くことはないよ」



そうか、子供も、気遣ってますね。

そういえば、水泳のところにとか、英語のところにとか、3月入院のために、欠席の連絡をする時も、
「そうなんですか」「そうなんですね」
と先方は、決して入院の理由を訪ねることはありませんでした。


今日も、お母さんから聞かれたりするのは、ありませんでした。


N先生も、ふみがだいじょうぶだと見て、クラスで、入院して手術することを、お話ししたのでしょう。


しかしこれが女の子なら、きっと詳細経緯を正確に伝えるでしょうね〜


もうふみは、余程急に思い出さない限り、学校のこと、喋らないもの。


「今日ね、3年生からカブト虫を受け取った、これからはぼくたちが育てることになるんだ、土にね、幼虫がいっぱいあるんだよ、でもね、手のひらにね、ずっと置いちゃダメだよ、人間の手のひらにいる幼虫はね、人間が火の上のフライパンにいることと一緒だよ。ぼくが引きついだカブト虫ね、名前がノコノコだって、3年生がつけたの、僕がね、ツチノコにしたの、もう少し経ったら竹の子にする…」

こういうのは、よく話しをしてくれますけど。



今日は、Uちゃんのお母さんが、 ご挨拶の番が回ってきた時に、口を開いた途端、泣き出しました。
「ごめんなさい、どうしたんだろう、ごめんなさい」と謝りながら、涙は止まらなくて、
「みなさまもご存じだと思いますが、わたし、毎日娘に付き添いして学校に来ています、朝から放課まで、ずっと一緒に教室で、でも子供たちは、ほんとうに優しくて、私たちを受け入れてくれて…、先生も…、いつか、いつか、娘が一人で、出来ることを、待つしかないなって、自分に言い聞かせて…」
Uちゃんのお母さんは、嗚咽して、言葉にならなくなって、

お母さんたちは、目頭を軽くおさえる人、目頭が赤くなる人。

けど、Uちゃんのお母さんに言葉をかける人は、一人もいないです。


そっとおいてあげるほうがいい、と思ってるでしょうね、みなさまは。


人の心、難しいものです。


ふみの机の中、ピカピカ、不自然にきれい、
保護者会だと思って、一生懸命片付けたんだ。

そういえば、1年生の時の保護者会に、ふみの机の中に、シャケを見つけたこともあったわ。