行ってよかった

車椅子のふみを押して、8時にうちに出て、学校へ向かいます。

今日は修了式で、2年生最後の一日。
車椅子に松葉杖ですけど、頑張って出ます。

事前にN先生から「階段はたいへんだから、直接体育館でいいですよ」と言われて、体育館の外で待機。

ふみ、緊張してきました。
それはそうでしょうね、よく来たと思うよ。

「ふみ、手術前の夜だって、一人で、眠れないほど緊張してたでしょう、あの時は、どうやって乗り越えたの?」

「あの時ね、頑張れば、仮面ライダーのあの玩具が買って貰えるんだって、ずっと思ってた」



修了式、ふみも自分のクラスの列の中に立ち、先生が用意した椅子を拒否して、ずっと松葉杖で立ってました。


終わって、ふみは、みんなと一緒に教室まで上がると言い出して、
あの長い階段を、手すりに捕まりながら、片足でケンケンして、一番上まで、誰の手も借りず、上がりました。


教室にいるふみは、お友達と談笑し、とてもとても楽しそうでした。

校長先生は二回ほどわたしのところにきて下さって、
たいへんだったね、
彼はよく頑張ったね、
って、お言葉をかけて下さって。


ほんとうに気さくな良い校長先生です。
新学期も、この校長先生ならね。


新学期のふみの担任も、またN先生ならね。




Uちゃんのお母さん、今日もUちゃんに付き添ってました。

他の女の子たちは、お母さんに、まるでクラスメートのように普通に話をかけたりしています。


「今日は2年生の最後の日…」というN先生の一言で、
Uちゃんのお母さん、涙が止まらなくなりまして。

Sちゃんが振り向いて「泣いた?なんで泣いてる?」と、

「いやね、涙が脆くなって、もう歳かな、いやね」とUちゃんのお母さんは慌てて涙を拭いて、

Mちゃんが振り向いて「あ、また泣いてる、どうしたの?」

「や、だから、よかったなって、みんな頑張ったな〜って、思って。ごめんね、ごめんね、ほんとうに、いやね」



冬が終わり、一気に初夏みたいになって、帰り道、車椅子に座るふみは、隣りを歩く同級生と楽しそうにお喋りしてました。


2年生の詩集の中のふみの詩です、

みんなの詩を読んだら、ふみの一番よかったじゃないかな、と思いました。

しかしふみは、ポリーを描くときに、必ず口に餌をくわえさせますね。