行方
知らずうちに、サボテンはつぼみを見せました。
嬉しい。
どんな色のお花が咲くのかしら。
明け方4時過ぎ、急に家の3台携帯が同時に警報が鳴り、
鳴りながら、「地震です、地震です」と携帯は言いながら。
怖い怖い。なにがどうなってる!! 蒸し暑いわ、エアコンを点けないと。
揺れてる揺れてる。
急いで警報を止め、スマホのワンセグを付け、あっ、津波の警報まで出て、
ワンセグ を手にして、またうとうと。
ポリーもまったく起きた気配がないわ。
まだ早いもの、外はもう明るいけど。
地震の時、やっぱり洋服が便利ね、着物は、ダメだ。
手元に一着洋服を置かないとね。
うとうと。うとうと。
3年前のあの地震の余震だって。
3年前かぁー。
もう3年。
まだ3年。
“もう”か、“まだ”か、人によって違うんでしょうね。
今日も34度。
9時半に、ふみの英語へ出たところ、ふみは「あ、ママ、水泳のカード持った?手続きしないと。してくれるよね?」と笑顔を見せて。
そうかそうか。水泳のカード、また取りに戻って。
ふみのスイミングスクール、今月、休んでます。
原因は、ふみの成績です。
3年生になってから、学校のテスト、みるみる成績が落下。
漢字テスト、算数テスト、60点から、とうとう40点になった時、さすがわたしは悲しいの頂点になりました。
ふみは「40点はなにが悪い!」と逆ギレ。
ひゃ〜、こう言われると、ほんとうにお手上げ。ダメダメ、手を下ろして。
「あのね、ふみ、ふみ今は学生、学生の一番のやることは、お勉強、お勉強がダメ、しかもふみは、やってもやってもダメではなくて、ちゃんとしてないでしょう、それは学生失格よ。パパママは大人、大人は働いて、家事をやって、やらないと失格。じゃ、ふみは勉強しないなら、パパママも今日から仕事しないよ、ご飯・洗濯・掃除しないよ、いい?どうなる?それぞれ自分のやるべきことをやらないと、全部成り立たなくなるでしょう…」
しぶしぶ聞くふみ。
最後は、ちょっと納得して。
それでわたしは、水泳は止めることと提案。
「学生だから、習い事は二の次。成績がダメなら、習い事は一個ずつ止めていくしかない」
サックスは好き、英語も好き、水泳は…、
「水泳を止めるしかないね、どうせ一通り全部できるから、止めていい」
と、わたしが言ったら、難色を見せるふみ。
「わかった。じゃ、まず7月8月休会する。で、これからの全てのテスト、80点以上なら、全ての名前は漢字で書くなら、だったら、復帰することを考える」
と、わたしはこの話を終了させました。
あれから、ふみの、毎日の小テストから、定期的のテスト、
90点、100点、たまに、80点、となりました。
名前も全部、“面倒くさい”の漢字で書くようになって。
15日まで、来月の手続きができるので、ふみは、「8月からやりたい」と言い出して。
してあげようか、約束は約束だから。
この前、塾の模擬試験があって、ふみの国語は、1500人参加者の300位でした。
けど算数は、真ん中すら届いたかどうかの位置でした。
算数は、弱いかな。それとも単なる面倒くさいから、ちゃんとやってないのかな。頑張ればなんとかなるかな。
少なくとも、ふみは塾に行くのは嫌じゃなかったのが、とりあえず助かります。
40点はなにが悪い!みたいな悪夢のような言葉は、2度と聞きたくないから。
知人は、息子がずっと進学塾に通って、けど、肝心な5年生になったら、急に反抗して、塾なんか辞めてやる、と言い出して。
知人は、とても困って、下の子を塾に入れるのを、ためらって、
「逆に5年生になってから入れたほうがいいかな」と知人が。
まさか、ふみはいつか、塾なんか辞めてやる、と言い出したりして?
泣いてやる〜、40点の時は、わたしはもう泣いたけどね。
英語が終わって、お蕎麦を食べて、スイミングスクールへ。
「ぼくなんでバカなことをやったんだろうって今は思うよ、80点以上取れば水泳を休まないで済んだのに、バカだな〜オレっ。後悔してるよ」
と、ふみは苦笑いの顔をして。
「あ、セミだ、今、聞こえた?セミが鳴いてたね」わたしは、急に上のほうからの鳴き声にびっくり。
「昨日も聞こえたよ、学校から出たら、小さい信号あるでしょう、あそこ、セミが木に止まって鳴いてたよ」
もう梅雨明けの時季ですものね。
8月の休会を取り消しして、来月から、また毎週水曜日夕方、水泳に行くことに。
「ふみ、もし40点とか、80点以下なら、また水泳を休会するからね」
「えぇ〜、何回目で?」
は?40点を何回目!?
「80点なら、一回よ一回、一回があれば、すぐ止めるから」
まったくなにを考えてるのかしら。
新宿へ、ふみの漢字練習帳がなくなりそうだから買いに行くことに。
ふみはおもちゃコーナーにずっといて。
「ママ、ゴジラの映画はもちろん観に行くけどさ、これを買わないと、ゴジラファンと言えないよね?ね?ママ」
今朝出る時に、ハサキチにエサをやって、「あ、水換えないとね、今時間がないから、帰ってきたらするよ」と言ったら、
パパは、「とりあえず隣の鉢に入れたら、その水はきれいだから」。
割り箸でハサキチを挟んで出そうとしたら、ハサキチ、素早く逃げたり、暴れたり、元気、元気。
水草がいっぱいの鉢に、ハサキチを入れたら、目をぐりっとさせて、わたしを見てました。
夕飯を食べて、わたしがお皿を洗っていたら、
「ザリガニはどこ?」とパパが。
「水槽の隣の鉢にいるよ」
「いないから聞いてる」
「いるよ、水草の下とか」
「いない」
「うそー」
ハサキチ、いなくなった。
その浅い鉢から脱走したのです。
パパとふみは、懐中電灯で家の隅々まで探しても、姿がまったく見えないです。
わたしは、探していないです。
水から離れたら、ハサキチは死にます。どれぐらい持つかわかりませんが。死ぬに違いないです。
ハサキチのエサやりや、水の取り替え、世話するのは、ほとんどわたしです。
何回も脱皮して、その脱け殻を天日干ししたり。
夜、ハサキチの写真を撮ったり。
懐中電灯で照らして、ただただじっと見たり。
そのハサキチ、今はどこ?早く出てきてよー。
一歳半過ぎたからかなって、最近のハサキチは動きもあまりなく、ジーっとしてるどころか、ほとんど、まさか脱走するとは。
油断したというか、思いもしなかったです。
ハサキチ、ずっとこの日を待ってたのかな、死ぬとわかっていながら。