インチキ

これは、つぼみじゃなくて、手?





ハサキチ、帰って来ないや。行方不明のままです。

もう無理じゃないかしら。
乾いちゃうというか。

歳とってから、ジーっとしてるところがほとんどで、まさかね〜
最後は、自由に旅して、旅路で死にたいのいう本懐を遂げた、ハサキチ、そう?

なら、よかったね。好きな生き方が、例え僅かに時間でも、それができて、よかったね。

他のものは、自分の人生経験で、かわいそうだのなんだの、安易に言ってるだけですから。





ゴジラなんぞ、無視無視、ポリー。




ふみの学校の宿題は、毎日音読があります。

国語教科書の何ページから何ページ、
あるいは理科教科書の何ページから何ページ。
読んだから、親が用紙にマルを付けなければならないです。

マルを付ける項目は、
漢字の読み方が間違えるかどうか、
“、”と“。”を気を付けてるかどうか、
ちょうどいい速さがどうか、

最後の項目は、気持ちを込めてるかどうか。

気持ちって、ちょっとわからないです。

理科教科書を気持ちを込めて読む見本、聞いてみたいです。


この週末の音読、ちょっと長いです。

国語の35ページから、58ページまで。


昨日、ふみは、後でやると言って、音読をしなかったです。


今日は、ゆりかもめに乗って、科学未来館に行くとのことになって、ふみは大喜び。

わたしがいろいろやってる間、ふみに、音読をやるようにと言って、もちろん、昨日と今日の2日分だけど。


一回分は、だらだら、ただでさえ長いのに、だらだらと読んでたら、15分近くかかって。

すると、もう一回分は、後で読むとふみは言い出して。

「“後で”“後で”、昨日はその“後で”のため、今苦労してるじゃない、もう嫌だ、ふみの“後で”は、もう聞きたくない」

ふみはどうのこうのと、とにかく読まないです。


そのどうのこうのとの時間、15分越え、一回分の読む時間はラクラクあったのです。


あきれて、この夏日に、ほんとうに怒り心頭。


この心頭の火はどうやって滅却するのか、わからない。


後でって、今日は宿題の作文を書かなくちゃ、大相撲も観たい(これは前々から呪文の如くに言ってた)、夕方のまる子からサザエさん、8時からのカンベイ。


その“後で”は、いつになるの?寝る前なら、まだぐずぐず、

もう嫌だ。もうわたしは限界。

ふみに、後回しというのは、いいことが一つもないと覚えてもらわないと。


科学未来館は、行かない。

怒りの頂点のわたしは、家に出ました。

駅のカフェに着いた時は、顔が真っ赤だと自分もわかります。

(この暑さに着物を着るから)と人は思うでしょう。


二時間座って、別にふみから電話もメールもなく。

お昼になって、仕方なく、スーパーに食べ物を買いに行く。


音読の宿題をやらないなら、わたしもご飯を用意するなんて義務を放棄する。としたいところが、そうもいかないから。

スーパーで、ふみが好きなスイカを買って、ふみが好きな穴子お弁当を買って(700円もする!)、ふみが好きなヤクルトを買って。

まるでご褒美じゃない!


わたし、やはりふみの母親だな〜、と、悲しいような気持ちが湧いてきて。

自分にはコロッケを買って。


帰ってきたら、ふみ、まるで何事もなかったかのように、「おかえり〜、あ!穴子弁当?ワー、頂きま〜す」

あ〜〜


結局一日、こうやって過ぎてしまいました。


今日は御盆、みんな家族揃ってお墓参りして、お食事をして。

わたしは、一回分の音読に、予定もなんにも、潰されて。


盆が来たとて、なに嬉しかろ。

まったくなにをやってるんだろう、わたし。


「ママ、トランプやろうよ、やろう」とふみ。

あ〜〜

トランプ、やろうやろう。

小学校の時に、わたしはトランプ好きだった。

まず手品を、何回もふみが決めたカードを当てて、

「え〜〜、ママのインチキマジック、すごいね」とふみ。


インチキは、要らない。