ミッケー
小さい小さいバッヂを、帯締めに付けて、
甲斐甲斐しくアイロンかけをするねこちゃん、
秘かに楽しむわたくし。
夕べ、わたしが窓辺のキッチンペーパーを取ろうとしたら、キッチンペーパーから、何かが、バタっと、わたしの手に落ち、それからバタっと、床に落ちて、
それから、尻尾を揺らしながら、ちょっと振り向いて(の気がする)、棚の下へ消えました。
子供のヤモリでした。
窓の隙間から入って来たのかしらね。
びっくりして、落ち着いてきてから、パパを呼び、探して、もちろんもう姿が見えず。
いやだな、うちのどこかに、逃げてもう干からびた(はず)のザリガニがいるわ、子供のヤモリが潜んでるわ…。
なんだかな〜
今晩、パパは普通に、「ふみ、ヤモリ、いたよ」と。
あの子供ヤモリ、床に出現!
ぎゃ〜、
ふみ、素早く掴みました。
「ふみ、待って、写真を撮らせて〜」
「一応撮るんだ」とパパは、やはり普通に。
撮るわよ、撮りますとも。
小さなお手々、かわいいことかわいいこと。
顔は少しワニっぽいのが、気になりますけど。
「ふみ、動かないで、ぶれる」
「早くして、暴れてるから」と、ふみはテレビを見ながら、肘をテーブルに。
あれ?昨日のは、灰色だったよ、今日の、黒だね。
まさか、違うヤモリ?
「環境によって、色変わったりするから」とパパが。
ま、そういうことにしておこう。
ふみに掴まえられてるヤモリ、じっとわたしを見てるわ。
不安だろうね、いや、不安どころか、恐怖でしょうね。自分はどうされるのだろうって。
「ごめんね、ごめんね、すぐだからね、すぐ放してあげるからね、かわいそう、かわいそう」
写真を撮って、「ごめんね、ごめんね」と言いながら、わたしも触ってみました。
ひんやりして、しっとりした感触で、さすが爬虫類。
玄関を開け、ヤモリを放生。
大きくなぁれ〜、それと、もう、来なくていいからね。