4、5時間かけて
また涼しくなって、わたしには嬉しいことです。
学校が始まり、毎週の作文も始まりました。
ふみは、朝のヒーロドラマを見てから、作文に着手して。
7ページを書いたら、面倒くさくなり、さっさと終わらせました。
「ぼくね、作文は面倒はあるけど、苦にはならない」とふみ。
ふみは、ずっとツナが苦手でした。
学校の給食に、シーチキントーストが出たりするお陰で、ツナが食べられるようになりました。
お昼は、ツナの炊き込みご飯を作りました。
おこげもできて、とても美味しいです。
玉子焼きとお味噌汁の、シンプルな昼食でした。
ふみは、お味噌汁の汁を飲んで、大根や、大根の葉やお豆腐の具は、残しました。
昼過ぎ、用事があってふみと新丸ビルへ。
地下鉄が東京駅にそろそろ入ろうとした時に、
ふみは、明らかに隣に座っている自分と同じ年ぐらいの男の子を意識して、大きい声で、
「あ〜、また東京駅に戻ったよ、岩手から4、5時間新幹線乗って、やっと着いたのに」
はっ!?
「あ〜、ぼくずっと新幹線の中で立ってたから、足痛いよ」とふみは言いながら足を手でトントンと叩いて、
「あ〜、また4、5時間か、や、在来線を乗り換えて、6時間かかるなー」と、ふみは、面倒くさそうで、だけど得意そうに大きい声で語ってました。
吹き出しそうなのを我慢するわたし。
ふみ、また“岩手自慢”してるわ。
ふみは岩手が大好きで、誇りに思ってる。
この夏、パパのお仕事の都合で、ふみは大好きな岩手に帰れなかったことに、涙をしました。
今日は、その知らない男の子に自慢気に語って、少し慰めになったのかしら。
地下鉄を降りて、わたしは、「ふみ、愉快だね」と言ったら、
ふみは、まるで聞こえてなかったようです。
雨は昼から上がり、 ひんやりした一日でした。