冬空

朝が暗くて寒いと、なかなか起きられなくて。

ラジオが鳴り、それでもできるだけ1分でも伸ばしたいのです。


朝から、ふみに、
音読の宿題まだでしょう、昨日もやってないよ、
終わった宿題を昨日からずっと卓袱台に置いたままだけど、片付けなさい、
携帯に充電して、
英語のリュックを用意して、
顔にクリームを塗った?
今日英語教室でSくんに会ったら、気を付けて、話しに乗ったりしちゃダメよ、

…。

こんな日常、正直イヤです。

テキパキな肝っ玉母ちゃん、到底わたしはなれない、ならなくちゃいけないでしょうけど。

小学生の男の子の母親は、そうでないと、やってられないらしいから。

水泳の待合室で、お母さんたちはテキパキで、子供にとっては絶対的な存在である、
小柄のRくんのママ、「もちろん私のほうが絶対に強いよ、私が怒ると、R、すぐめそめそ泣くもん」と。

へぇ〜、あの140センチ越えた長身のRくんが?

お母さんに叱られるとめそめそ…、

なんだかね〜、自分の無力に知らされたようで、身が縮んでしまうわたしです。


ふみは、わたしのことをどう思ってるのでしょうかね〜
少なくとも、わたしが怒って、めそめそなることは、ない。

怒るわたしは、一人芝居でお仕舞い。


ご飯、洗濯、買い物、ランドセルの用意、筆箱をチェック、鉛筆削り、習い事に同伴、天気予報を忠実に見て、翌日の服の加減を準備、言葉遣いを注意、テーブルマナーを注意…。
わたしは、これらの係り以外、なにもないじゃないかな。


これら以外は、最近増えたやることは、あやまること。


元気すぎて、動きの荒いふみは、おっかけっこする時、トイレに入って、扉を閉めようと、おっかけてきた子の指を挟み、中指の爪が剥がれ…。

自分は親しく思う仲のよいお友達に、毎日挨拶代わりのつもりに、その子のお腹にパンチ1発、
…。

あやまる、あやまる、
先生に、相手の親に。

パパは知った途端相手のうちに電話を入れ、全て親の責任です、躾がまったくできていなく、申し訳ありません。


わたしは、電話であやまるのは泣き出してしまいそうで、失礼ながら、メールにして。


幸い相手の親たち、みんな寛容な方ばかり、
ふみくん一方的悪いではないですから、あまりふみくんを責めないように、これからも仲良くさせてもらいたいから…。
それと、お父さまからお電話を頂き、ほんとうに恐縮です。
と。

罰として、ふみになんとかジャーたちのドラマを観る権利を剥奪。


ふみはすんなりと、「ぼくもそういうドラマから卒業しないとね」と。本心はどうだか。

ヒーロー物語を禁止して2週間、日曜の朝に、ふみはヒーロー物語のテレビを観たいと、一回も言っていない。




習い事だって、スイミングにしても、サックスにしても、わたしが付いてないと、同じような“事件”を起こすに違いない。


塾には、わたしはついて行ってないので、さっそく塾から電話がかかってきて、指示通りにしないと困ります、と。


どうしてふみはこんなに人の言うことを聞かないのかしらね〜。


まさか、わたしが塾にまでついて行かなくてはならないとか?


ほかの男の子は、まだお母さんが怖い、お母さんは絶対に強い、

わたしは、無力と感じてならない。




テレビを付けてたら、演歌歌手が歌おうとして、司会者が、「では、××の、“この世は女で回ってる”を、どうぞ」

聞こえたふみはすぐやってきて、「誰だよ! この世は女で回ってるって!? 男で回ってるに決まってるだろう!」
と。





同じクラスのTちゃんのお母さんと会いました。
「うちのT、毎日“ふみくんが…”“ふみくんが…”って、ほんとうに毎日のようにふみくんの話題が出ますよ、楽しくてしょうがないみたい。ふみくん、優しいもん、しかも男らしくて。今時、男らしい男の子って、あまりにも珍しいからね…」


そうか、ふみは、男らしくて優しい、ですかー




「ふみ、Tちゃんのママがね、ふみくんと会ったら、いつもちゃんと挨拶をしてくれてるって、ほめてましたよ」

「うん、ぼく、近所の人にみんな挨拶をしてるよ」

そうかー。




「ママ、きてー」

ふみが風呂場から呼んでます。
石鹸の柱を作ってました。






パパが買ってきた、昔ながらの甘納豆。



全部紫になっちゃいましたね。