二の酉


うちに向かって歩いたら、名前を呼ばれて、Tさんでした。

息子二人ともふみと同じ学校です。学年は違いますけど。


「実は、お願いがありますけど、“校外”、やっていただけないかなって思って」と笑顔の優しいTさんが。

校外ね…、
学校のPTAと関係なく、地域の活動の担当で、地域の祭りや、町内の餅搗き大会、夏休みのラジオ体操、夏休みに子供たちを連れて映画を観に行く、及びその時のお弁当の手配、…、など、との内容です。

わたしは、学校のPTAを2度とやりたくないと強く思っています。
5、6年生になると、学校のPTAは、ほぼ人数一通りに回ったので、抽選になるらしいです。

わたしは、そのやりたくないの強い思いで、抽選には当たらないと願っています。いいえ、信じています。

校外…、思わぬ頼みに、一瞬固まって。

Kくんのママが頭に過ったのです。
昔、ふみの柔道道場で知り合ったお母さんですけど、区が違うんですが、地域の祭りで、チョコバナナの担当で、朝から晩までバナナを剥いてたと話してました。つらそうなような、楽しそうなような、

歌手のMさんも頭に過ったのです、
「わたし、今年は校外だから、ラジオ体操毎日出なくちゃいけないじゃない、もう朝早いから、たいへん…」、Mさんは町が違いますけど。

校外ね〜

戸惑ってるに見えたのか、Tさんが「でも××さんはお勤めしてらっしゃるもんね、無理しないで、ほんとうに。今は何人か当たってますから」

ふみが頭に過って、ふみのため!
「いいえ、いいえ、そんな、もちろんですよ。ただ、もしかして毎回出られないのかもしれないですけど、頑張りますので。あ、わたしの携帯番号をお教えします」

「ほんとうですか!? ありがとうございます! ほかに当たってみてるお母さんもいますから、毎年4人担当で、もしほかのところがダメなら、××さんにお願いするかもしれないですけど、お勤めしてらっしゃるのはわかりますから、どうしてもダメな時はお願いしますね…」

(^_^;)))
Tさんと笑顔でさようなら。


生きているうちには、周りと関わらないというのは、無理な話ですし、やればそれなりに楽しさもありますし。
と、自分に言い聞かせて、
しかも今回は、ほかにやってくれるお母さんがいるなら、回って来ないのかもしれないですし、
と、さらに自分に言い聞かせて。

それにしても、足は重く重く、家に向かうわたしです。

「どうしたの?またぼくがなんかやった?」と、ふみはずっと遠くから立ち話のわたしを見ていたようです。自分への苦情と思ったのかしら。

校外をやってもらえないか、との話よ、ふみとは関係ないから、と教えたら、

「やれば、別に大したことないよ、ママがやるなら、ぼくはラジオ体操にでてあげるから、御神輿も担ぐよ」

(T_T)


夕方、神社の酉の市に行きました。




なんとなく寂しげな酉の市だが、穏やかで、ひっそりして、慎ましく、これもこれで。


たこ焼きと焼そばを買って、帰路に、パパが後ろからシャッターを押して。