将来

今日は朝から雨。
風もあって、寒い寒い。気温は一桁。


今日はわたしはお休みですが、前から申し込んだ講演会のある日です。

子供への叱り方というテーマの専門家のお話しです。


冒頭に、その先生は、一人男の子の例をあげて、
ある日の朝、ごく普通の、日常の朝。
お母さんは、まず、

早く起きて、何時だと思ってるのよ、あなたもう自分何年生だと思ってるの?毎日同じことを言わせないでよ…。
それからは、
早く食べなさいよ、いつまでモタモタしてるのよ。顔を洗うだけで、なんでこんなに水をこぼしてんのよ、鏡を拭きなさいよ、歯は?磨いた?虫歯になりたいのか、ランドセル今から片づけるんじゃ間に合うわけないじゃない、毎日言ってるじゃない、何十回何百回言ってるわよ、前の晩ちゃんと整理したら今焦らなくて済むでしょうよ。軍手が必要?なんで今言うのよ、急に言われて用意できるわけないじゃない、どうしてその日すぐ言わないのよ、私を困らせることばっかりやって、ちょっと、挨拶はちゃんとしてって言ってるじゃない、ちゃんとこっちに向きなさいよ…


先生は、「子供を叱る時は、人格を否定するような発言は絶対だめだとのことは、みなさんもうご存知というか、もう常識ですけど、けど、このような、人格を否定ではなく、具体的なことを指してずっと言うのは、だいじょうぶなのかというと、これも実は同じです。ボクシングで例えると、一発で相手を倒すか、こまめな連続パンチで相手をぼこぼこさせて倒すか、結果は同じ、それはお子さんの自己肯定を無くすことです。これからは、なにをやっても、その子は自分に自信を持てない、そういう人間になります。これは脳科学でも、心理学でも証明されてるものです」

「自分に自信を持てない、さらに非行や反社会的になります。それに、子供は、こんな年中ガミガミと自分を否定する相手に、よい感情を持てなくなります」


「どうして親はこうやってわが子を叱るのか、これは、親には、いくつか大きいな勘違いがあります。一つ、わが子を自分の理想像に改造したいとのことです。人間は、生まれ付きの資質があります、性格や才能、こういう資質は、簡単に変えられるものではない。大人だって、自分を変えることができないのに、子供にそう要求するなんて、実に乱暴なやりかたです。この理想像、この願望は、諸悪の根源。」

「こどもは、無限な吸収力があっても、自己改造能力はない、毎日自分の一番信頼する親から叱りのシャワーを浴びて、子供はかわいそうでたまらない。」

「なので、“叱る”というのは、実に罪深いこと。年中子供を暴言をかけるお母さんは、わが子だからって、やりたい放題の権力者のように、この子にとってほんとうの幸せは何なのかは、考えたことがないと同じです…」

「子供たちは、実に素晴らしい存在、彼らは過去の重みも、未来への願望もない、今、この瞬間を精一杯生きてる。怠けてる子はいない、みんな精一杯生きてる。大人は、汚れきった目で彼らを見ているから、その素晴らしさがなかなかわからないけれど、頭の中の概念をなくし、ありのままのわが子を見ると、そこに美しいわが子がいるはず。今しかないわが子をじっくり味わってください、こうなってほしい、ああなってほしいとばかり考えるじゃなくて、ありのままのわが子の美しさを味わってください」

「“小さいうちに直さないと、大きくなったらもっと困る”。これも親たちの大きいな勘違いです。こどもは叱りによって成長してるのではないです。生まれつきの資質と親の愛情とサポートで成長していくものです」

「仏教には素晴らしい言葉があります、それは“諦め”です。諦める、実は悟りの境地です。決して放任主義ではなくて、ありのままのわが子を受け入れる、“あ、この子はこういう子なんだ”と、諦めて、この子はこのままでも幸せを感じて、安らかに生きていられるように、サポートしてあげる。子供をほんとうに理解すれば、自分も子供も、解放します。子供は、自分の人生を歩むために生まれてきたのです。親がコントロールするものではない。子供のやる気は、そのやる気のスイッチを押す機会は必ずきます。けど、チャンスを掴める、スイッチを押せる人は、自己肯定を持っている人に限るのです。自己肯定できる子は、いつか、必ず自分のやりたいこと、できることを見つけます」

「子育てというのは、同じことを百回も千回もいうことです。どうせいうなら、機嫌悪く、叱り、否定的なことをいうより、どうせいうなら、明るく、まず褒めて、とにかく褒めて。ごはんをこぼしても、“えらいね、昨日よりあまりこぼしてないじゃない、すごいね”というのです、とにかく褒めて、とにかくマイナスの言葉を発すないこと。“××しちゃだめよ”より、“××しましょうね”という言い方にする。こどもが何か言うと、まず共感してあげましょう、否定する、批判するじゃなく、まず共感して、“そうね、それはたいへんだったね”“それはいやな気持になるわね”って、共感を発信してください。それは信頼関係の第一歩です」

「子供はあなたの叱りによって自立するじゃない。親の愛情とサポートで健全に成長して、やがて自立することです。叱りは、罪深い行いです」


講演会が終わり、寒い雨の中で歩き、感慨深いものが多々ありました。


夕方、ふみとスイミングへ。駅あたりの雨水、なぜか結構溜まって、通りかかった車で、その水たち一気にふみとわたしへぶっかけてきて。

「ママ、ウスイとゲスイは違うよ、処理場でね…」ふみは、ついこの前の社会見学の話を始めて、「微生物もいっぱいいるんだよ、その処理場では、悪いなにかを食べてくれるんだって、でね、きれいになった水をね、神田川に流すんだよ」
「へぇ〜」