9年間
年末は、何かしら慌ただしい。
あっという間一日が過ぎ、夕方はふみを連れてサックスのレッスンへ。
伴奏のテープをかけて、先生と一緒にサマータイムを。
や〜、サマータイム、いつ聞いても、何回聞いても、やはりいい曲ですね。しみじみ思います。
ふみは、先生のリードに、サマータイムを吹いて。
リードしてないとまだまだダメですけど。
いっぱい練習しないとね。
「冬なのに、サマータイム、ハハハ、お正月なのに、こんな暗い曲、ハハハ、だいじょうぶ?」と先生がふみに。
「はい」
ふみ、半年前に比べて、だいぶ成長しましたね〜
半年前は、ふざけたり、お喋りしたり、
今は、ひたすら真面目に先生の言う通り従うふみです。
子どもの半年は、こんなにも濃い内容になるものですね。
大人の半年は、なんとなく。あっという間。
成長なんて、あるのかしら。
ふみ、明日で9歳になります。
9年、子どもにとって、こんなに成長させるものですね。
感慨深いものです。
サックスのレッスン、年内は今日で最後です。
そう思うと、思わず先生に、「明日はこの子の誕生日です、9歳になります」と言ったら、
「ほぉー、そうですか、それはそれは」と、先生はすぐ“ハッピーバースデー”をサックスで吹いてくれました。
ふみ、なぜか茫然として、しばらくしたら、小さい声で「ありがとうございます」と。
「ふみくん、サックスが好き?」
「はい」
「来年も頑張ろうね」
「はい。あ、先生、これ、…、あの、クリスマスプレゼントです」とふみは紙袋を取り出して。
紙袋の中に入ってるのは、ウォーカー社のショットブレッドです。
なにしろその入れ物の缶は、肘から指先までの高さがあります。
邪魔になるでしょうけど、なかなかかわいい缶です。
先生は、嬉しそうでした、ふみと長い握手を交わして、さようなら。
明日はふみの誕生日です。
けどパパは明日から3日間出張で不在です。
一日早いのお誕生日ケーキ。
ふみ、おめでとう。そして、ありがとう。