みぞれ
朝から曇って、昼前に雨が降ってきて。
冬の雨は、身に沁みる。
ふみの誕生日の今日は、パパは3日間出張で不在。
小さいときのわたしの誕生日は、なにかをくださるのは、どっちかというと、父親のほうかな。
ささやかなものだけど、覚えてくださって。
革のノートブック、一ペイジ目に、万年筆で、“根性ーー今年お父さんがあなたに期待しているところ”と、父親の字で。
父親はよくわたしに、「頭は悪くないから、あとは根性、だね」と。
根性、今も、ないじゃないのかしら。
そのノートブック、今も持ってる、棚の奥のどこか。
ふみへの誕生日プレゼントは、念願の妖怪ウォッチゼロ式、という腕時計のような、今まで貯めた妖怪ウォッチのメダルをはめれば、それぞれが認識され、それぞれの音がする。
いろんな機能のついてるその“ゼロ式”をつけて、ふみはわたしに近づき、ボタンを押して、ゼロ式から青い光と、いかにも何かが発見した音を鳴らし、
「あ、やばい、ママは何か妖怪に取り憑かれてる!」
「なんの妖怪に?」
「う…ん、忘れん坊かな」
(*^O^*)
誕生日プレゼントは、あとはふみの大好きな「タンタンの冒険」シリーズの、ふみのまだ持ってない二冊と、戦国の戦いの図鑑。
ふみ、図鑑をめくりながら、「あ、知ってる知ってる、これね、×××なんだ、××年にね、馬から落ちて、××年に死んだんだ、あ、これね、結局…」
驚いてるわたし。
「そういうの、どうやって知ってた?」
「調べるもん、ぼく」
(((・・;)
父親が生きていればな〜、話しは楽しいでしょうね。
歴史が専門だから。
しかし、ふみはこんなに歴史が好きとは!
夜、ふみが俳句を作りました。
音がする
風呂場で聞こえ
みぞれかな