無事に
午前、ネイルサロンで、指先に、ふわふわの羊を入れてもらいました。
未年とのことで。
ふみは、今日帰ってきます。
まる3日間だけど、長かくて長くて。生活のバランスまで崩れ、形が定まらないというか。
夕方パパが帰ってきて、すぐ二人でバスの到着場所へ向かいます。
電車の中で、団体のツィッターを見てみたら、渋滞がなく、予定より30分到着する、と書いてありまして、びっくり!
バスから降りて、親を見つからないふみの気持ちを思うと、頭が真っ白。
電車に降りて、集合場所へ小走り、「バカだねわたし、バカよ、やることがないのに、4時ぐらいその近くのカフェでも座ってればいいのに、なんで思い付かないでしょう、バカね」と言いながら。
公園に着いたら、子供たちの声が聞こえてきました。
みんなしゃがんで、主催者の話を聞いていました。
ふみ、いた。
淡々とした顔でこっちを見て、別に嬉しそうも興奮もなく。
この子、いつこんなクールな感じになったのかしら。
それに、じーっとしゃがんで、動かず話を聞いてるなんて、や〜、ふみ、変わりましたね。
1年生の時まで、少しも落ち着きがなく、担任の先生をどんなに困らしたことか。
ふみにも、こんな日が来るとは。
大学生たちの一緒に歌って、お別れ。
一人青年がこっちにきて「ふみくんのご両親ですか。ふみくん、年下の子の面倒を看てくれたり、とても助かりました、しっかりして…」と話してました。
深々おじきして、お礼を言って、もっと話を聞きたかったですが、ふみは、お腹がすいたと言うし、それに、2月に、今回の旅の報告会もありますから。
年末のオフィス街、人影が少なく、お店の窓からは光が明々としてますけど、お客の姿はあまり見かけません。
年末の東京は、カランとしてます。ま、場所にもよりますけど。
「ふみ、すごいね、小さい子の面倒を看てたんだ」
「言われたから、やってあげただけだよ、あ、輪締め、作った、見る?黄色い南天もあるよ」
明るい街灯の下で、ふみはリュックから、藁で作った、お正月の飾りらしきものを取り出して、
「へぇ〜、これ、ふみが作ったの?!」
「うん、お爺さんたちに手伝ってもらったけどね」
「食べ物は?美味しかった?」
「めっちゃ美味しかった、メンチカツとか、あとお米が美味しかった、妙高、楽しかった〜、せめて、1週間ぐらい居たかった〜、夏のキャンプもあるよ、夏も行きたい、川登だって、いいでしょう?」
「うちのこと、思った?パパママのことを」
「あんまり、あ、寝る前に思った、なにをしてるのかなって、でも疲れてるから、5分もしないで眠ってしまう」
電車に乗って、黙って車窓からの東京を見てるふみです。
夢うつつ、でしょうか。
うちに帰ってきて、お風呂に入って、9時ちょっと過ぎ、ふみはすんなり眠りました 。
夜から雨ですって。
ふみからの洗濯物はたくさんあって、雨じゃね〜
あっ、贅沢を言ってる。ふみが帰って来る日がよいお天気で、そのおかげで無事に帰って来られて、もう充分なのに。