お電話

今日はどうしても体調が悪く、やむを得ずお仕事を休みました。

横になって、テレビを眺めたり、うとうとしたり。

外は日差しが燦々と。
冬の日差しはほんとうに眩しいですこと。
湿度がないため、そのギラギラは行きたい場所ならどこまでも行けて。自由を味わってるのでしょう。

日差しが燦々とだが、寒いのがわかるのです。

寒いだけれど、風がないから、日向は、幾分暖かいでしょうね。


ふみが帰って来て、おやつのカステラを食べて。
「ザラメが少ないな、××屋さん、ザラメをたくさんつけてよ、たくさんつけてね、××屋さん」とふみはカステラに向かってしゃべってから、気分よく塾へ行って。

電話が鳴って、起きて受話器を取ったら、担任の先生でした。
先生の名前を聞いてても、胸騒ぎはしないし、嫌な予感もなく、わたしは平淡な気持にややびっくりして。

そうだ、今日は保護者会だったね、行けなくて。でも、先生はそれでお電話を下さるに思えないが。


「ふみ君の口のケガのことなんですけど、」

?口のケガ?!
「今日、みんなでお掃除の時に、D君が足を上げて、ちょうどふみ君が来て、D君の足がふみ君の口に当たって、唇が切れて、血も出たので、すぐに保健室まで連れていきました、診てもらったところは、歯はなにもなかったそうです、血もすぐ止まりましたので…」

へぇ〜、そんなことがあったなんて、ちっとも見えなかったわ、ふみ。

いつもと変わらない様子で帰って来て、いつもと変わらない様子で塾へ出て、
ふみの口からは、ケガのけの字も出ませんでした。


先生の電話のあと、D君のママから電話があって、
「申し訳ありません、うちのDがふみ君をケガさせたそうで、もうほんとうに…」
「全然だいじょうぶです。D君はわざとじゃないですし、ふみも、とうに忘れてるみたいで、わたし、先生からお電話を頂くまで、知りませんでした。それほど、もう見た目も、痛みも、ないですから」
「もううちのDはほんとうに乱暴で、申し訳ございません」
「いいえ、ご丁寧に、返って恐縮です」
「これからまたよろしくお願いいたします。」
「こちらこそ、よろしくお願いいたします。」

このやりとり、いつだったか、ありましたね。
立場が逆で。



パパが塾へふみをお迎えに行って、たぶんケガのことを聞いたのでしょう。
帰ってきたふみは、「D君のママから電話があった?」との第一声。
「口、血が出たんだってね」
「D君、今頃怒られてるのかな」
「ふみ、嬉しそうじゃない?ダメよ」
「や、そうじゃなくて、僕だけじゃないな〜って、それだけだよ」


体調、だいぶよくなりましたから、明日、お仕事には行けると思います。